報告:ケンちゃん

「参議院選挙で市民が勝つために」に参加しました。
jpg large
主催は[市民の意見30の会・東京(市民意見広告を新聞に掲載している団体。今年は5月3日、憲法記念日と6月23日、沖縄慰霊の日に「安倍政治にNO !」を掲載予定)と週刊金曜日]

『講演・中野晃一(上智大教授、立憲デモクラシーの会)さん』

「安倍晋三」
・常識的に考えておかしいし、テレビに写ると見たくない。
積極的に支持しているわけではないが、『アベさんにもいいところがあるし…』『頑張っているし…』という人もいる。
『どこが?』『エッ?』と信じられない!「女性」と「若者」は、アベから見ると女・子供で、あまり相手にしたくない存在。
アベ・スガのグロテスク度と女・子供を軽んじる態度を女性は敏感に感じとり、アベに対する支持率は低い。

「キーワードは、リスペクト(尊重)」
・相手に対してリスペクトを持つこと。リ(ふたたび)、スペクタクル(見る)
振り返って見ること。話す時に相手の顔を見ないのはリスペクトを欠いていること。
相手に対してリスペクトで見ると、人間関係は壊れない。
「人々に対してリスペクトを欠いているアベ政権」は、早く退陣して欲しい。
そして、言っている内容がたとえ正しくても、まくしたてれば相手が退いてしまう。一呼吸おいてリスペクト。

「学生・世代の格差」
・(上智大の特徴かもしれないが、)男子学生よりも、女子学生の方が優秀である。
しかし、就活では、男性枠から埋まっていく。今の学生(若者)は、バブル後の「失われた20年」の間でしか育っていない。右肩上がりの日本を知らない。「頑張れば報われる、正義は勝つ」ということが昔は信じられた。しかし、今のネット社会では、「正義は負け、悪が勝っている」未来の暗い話をされると「必ずそうなるのだから、今はやめてほしい。今を楽しみたい」

「報道」
・アベノミクスの破綻ぶりが見えてもジャーナリズムは報道しない。
海外のジャーナリズムとのひどい違いがある。
「本当のことを言わないでくれ。上手な嘘をついて欲しい」ということになっている。
問題が難しくなっていて、一つ一つ冷静に考えても、簡単に答えが出るわけではないのに、幻想の中に入っていきたくなる心理を利用して、幼稚な漫画チックなスローガンを持ってきて、わかりやすいデマゴークをしている。

「新宿での街宣」
・シールズのメンバーが『国会前とは違う』と言った。
国会前は意思を持った人の集まりで、たまたま国会前を通りかかる人はいない。
だから、一般の人にも参加してもらうには、見せ方を変えなければ、という話になった。
コールも、「アベは辞めろ」で国会前ではなんの違和感もないが、新宿などでは『言葉づかいがおかしい』等と言われたりする。つまらないところで突っ込まれてもしょうがないので、聴いて欲しいんだったら、受け手に配慮することが必要になってくる。
「アベは辞めろ」を「安倍さん辞めて」にしたら、意外と皮肉っぽく聞こえて良かった。
コールも昔は「シュプレヒコール」で、繰り返すだけだったがドイツ語から英語に変わっただけでなく、掛け合いになった。
シールズのコール、7月はテンポよく速かったが、9月になって遅くなった。「何故?」
中高年が多くなって、ついていけなくなったから…。

「今の自民党議員」
・世襲議員と喜び組、になっている。封建領主のような気分で国家権力を私物化し、恐ろしさを知らない。
個人的に話せばリベラルな人もいるが、なんの緊張感もなく、そこらへんの商店街の寄り合いになっている。

「野党共闘」
・市民社会の後押しがなければ出来なかった。
歴史的に見て画期的なことだか、未知の世界である。民主党の右派(前原、細野など)が「党を割る」とか言っていたが、なぜ出ていかないのか?
それは、彼等が民主党にいるしか価値がないからである。
もし前原が自民党に入ったとしても『君、誰だっけ?』と言われてしまうのが関の山である。
アメリカから見ても、野党第一党にいてもらった方が使い勝手がいい。

「歴史に残る選挙に!」
・市民連合は市民の声があったからできた。
いい勝負はできると思うが、勝負に勝つのは大変なことである。
今度の参院選は、民主党のいい時に勝っている議員が改選を迎える。
野党共闘に過剰な期待を抱いて、ガッカリすることのないように!
でも、3分の2を阻止する状況に手が届きだしている。
海外だったら、新党ができていい流れになっているが、日本では難しい。
だから、民主党を、叱って、褒めて、おだてて使うしかない。
政権の狙いは、何をやっても無駄、と諦めさせること。
自民党の支持率は16%程度。6人に1人。後の5人の票を取る。
「連合」も、産別候補が骨肉の争いをしてきたが、基礎票が少ないので、今いる12人のうち6~7人しか当選しない。『基礎票が欲しくないの?』という市民の後押しで、完璧には遠いが見通しが出てきた。

「共産党の選挙協力」
・共産党が1人区で候補者をたてないということは、すごいこと。
何故なら、勝たなくても選挙カーが連呼して回れば、比例区で票が集まる。
かなりのリスクを負っている。今回で駄目だったら、候補者を下げることは二度とないだろう。
1人区で対決姿勢ができれば、複数区に波及する。
ちょっと 違和感を持っている人にも『ここで投票に行かないと大変になる。
さすがにここで止めないとまずいでしょう』と言おう。

「公選法」
・戦前にできた論理性のない法律で官から見て、民衆は馬鹿だという考え方である。
現職、世襲議員に有利になっている。

「立候補」
・学者などが立候補するには、現職をやめなければならないので、よほど勝てるとわかっていないと難しい。
その点、弁護士は立候補しやすい。

[パネル・ディスカッションに参加の高遠菜穂子さん(イラク支援ボランティア)]
・2月までイラクに行っていた。13年イラクで活動。国外、国内含め、10人に1人が家を失っている。
金のない人は国内をさ迷うしかない。日本の報道は結果しか報道せす、経過は報道しない。
だから急に出てきたような感じになるが、実は何年も前から続いている。日本がいかに情報鎖国であるか。
日本にもどってくるたびに、バタンバタンとドアが閉まる感じがして、海外から隔絶してしまう。
エンタメもいいが、2~3日したら焦ってしまう。
「日本語で情報を得ている間は、情報はないと思った方がいい」。
2014・8月IS がヤジディ教徒を虐殺した時、海外メディアは一日中放映していた。(日本では放映されなかった)

最近、小~大まで講演に呼ばれるようになった。
講演後、自分に引き付けた感想を書く子供が増えた。
福島や沖縄の高校生8人をドイツに連れていった。
「沖縄の子は福島の事を知らない、福島の子は沖縄の事を知らない」
ドイツの歴史博物館で、ドイツの高校生にナチ問題などを説明させると、しっかり説明できる。
また、言葉でも、日本の高校生たちは、なかなか話ができない。
『英語に置き換えちゃだめ、あー、でも、うーでもいいから話なさい』と言うと、『それでもいいんですか?』と言って安心して話始める。
ドイツの先生は『ドイツには教育理念がある。言語を学ぶということは、他者を学ぶということである』と言う。
日本の高校生もわずか10日間ぐらいで、すごい変化を見せる。
気づくきっかけがあれば開眼していく。

アメリカもイギリスも、イラクの大量破壊兵器の存在は間違いだった、と謝っているが、日本だけは検証されていない。(この点だけはアメリカに追随していない)アベは、「イラクが悪かった」と間違った事を前提にしている。
高遠さんは、北海道の千歳で、自衛隊のある所で育った。
イラクに行ったとき、「ドカン」と音がした時、懐かしい、と感じてしまった。
演習場と戦場の違いが分からなかった。
沖縄、北海道、富士など、日本のいたる所で演習しており、イラク問題は国内問題である。

※中野さんは、午前中に府中で講演し、神田に来て講演、そして小金井の公民館でまた講演と、まさに休むまもなく飛び回っています。(新聞に、子供と会う時間がない…、と出ていました)
浦スタの皆様も、仕事に活動にと、休む間もないでしょうが、健康に気を付けてしぶとくやっていきましょう。

会の事務局の人が『以前、開催した時に、あまり集まらなかったので心配したが、大勢の人が集まってくれて感激です』と言っていましたが、一ツ橋ホールが300人を越す人で一杯でした。『署名をしてくれる高齢者の手をよく見ると、黄疸が出ていたりする…』
潮目は大きく変わってきました。

ちなみに、パネル・ディスカッションの参加者は、高遠さんの他は、
武井由起子さん(弁護士あすわかの会、ミナセン(みんなで選挙)
元山仁士郎さん(シールズ・RYUKYU)
北村肇さん(週間金曜日、発行人)でした。