さいたま市の小学校教師がさいたま市のサイトから清水市長あてに送った手紙を、教師たちと子どもたちのために、拡散してよいとのことでシェアします。
小学校のコロナ対応では、現場を知らない細田教育長によって教師たちがいかに振り回され疲弊し、子どもたちにそのしわ寄せが来ていると訴えています。

さいたま市 教育長の細田眞由美氏(さいたま市サイトより)
2021-09-25_21h59_24


※お手紙の太字は管理人がつけました
さいたま市長 清水勇人 様 

さいたま市内の小学校で教諭をしております。 
この度の突然の「ハイブリッド授業」提案には、現場は驚き、準備対応に四苦八苦しています。一週間たった現在でも混乱が続き、保護者や児童の対応に疲弊しています。
これは、現場になんの予告も相談もなく、教育長が突然言い出したことが大きな原因の1 つです。
例えば事前に校長会などに提案があれば「通信環境は大丈夫か」「出席の扱いは?」等など、事前に起こるであろう混乱が少しは予想できたはずです。
教育長は、現場の教員へ指示するのとほぼ同時刻に、市内の保護者宛に、美辞麗句を並べたメールを配信しました。このメールをもって、「ハイブリッド授業」なるものを知った教員もいます。
これはあまりに現場軽視です。
(これは初めてのことではありません。以前のスタディエッセンスの時もそうでした。)
しかも、その保護者宛のメールには、保護者が期待を抱くような美しい言葉ばかりが並べてられていました。 
「事前の試行もなく、ハイブリッド授業など出来るのか?」と、ただでさえ緊張の新学期であるのに、この教育長メールで更に混乱に拍車がかかりました。
このような事態を教育長は想像できているのでしょうか。
いつも動くのは現場の私達です。
校長会などを通し、もう少し現場の声に耳を傾けて頂けないでしょうか。
細田教育長のいけないところは、現場を軽視しすぎていることです。
特に義務教育現場での経験がお有りではないということで、特に小学校現場での授業風景、子供対応などのイメージに欠けるようです。だから、このような指示が突然できるのです。
(高校生なら可能だったかもしれません。このオンライン。)

そして、2 つ目は、現場軽視故に唐突に指示を出すことで、教育現場に一体感を生み出し得ないことです。
教育長は、高校教員だったとのことで、義務教育現場での経験がないせいか、特に小学校現場でのことなど全く想像できないのだと思いますが、教育長の方針を受け止める現場は毎度「またかぁー」「えっ、何言ってるの...」という反応で、まるで「一丸となって頑張ろう」という風にはなりません。
今の所、ただただ現場は振り回され疲弊していく、という印象です。
管理職は、この一週間、ハイブリッド対応の保護者の苦情に追われ、日に何度もメールを保護者宛に配信し電話を受けっぱなしです。
各校の管理職は、今や人材不足の学校で、各クラスに入り大変な児童の対応を手伝ってくれたりしていますが、この新学期、そのようなフォローもなくなりました。
担任は担任で、対面授業の子供と画面の向こうと、両方の対応に追われ、とても余裕をもって子供達の声を受け止められる状態ではありませんでした。
このしわ寄せは必ずや子供達にきます。
画面の向こうから、授業内容とは無関係の通信障害の苦情が重なり、ハイブリッドをやるなら、小学校の場合、少なくとも各クラスに副担任のような方が必要であることがわかりました。
画面の向こうの子供に対応している間、クラスにいる子供達はひとすら待つか、放って置かれます。そのうち数名が騒ぎ出し、、と、とても落ちついた学習環境ではなくなります。
小学校でのこのような一場面、きっと優秀な高校トップを務められた細田教育長には想像できないのでしょう。学校は、高校だけてはありません。中学校も小学校もあります。
非常に厳しい言い方ですが、組織のトップとしてはどうなのかと思ってしまいます。 

 清水市長へ提案です。
教育長には、優秀な高校のトップを歴任した方というより、義務教育現場、できれば小学校中学校経験者つけていただきたいです。
そして、現場の声を形だけでなく、真摯に受け止めてくれる方についてもらいたいです。
少なくとも今の教育現場は混乱の一途をたどっています。
来年度から始まるSTEAM 教育についてもなども、現場では「教育長はまた特色出したがってるな」「またマスコミ受けを狙ってるな」と多くの教員が斜めに構えてみているのが現状です。ビルドやチャレンジがお好きなのはわかりますが、今の教育現場に大切なのは何か、の視点を欠いているように思えてなりません。形ばかりでは、全く現場の士気は高まりません。 
 さいたま市の教育のトップには、是非、目立たすとも、質実剛健、現場の士気を高めてくれる方を望みます。
それこそが、市の教育力アップに繋がります。 


小学校の先生たちは学習指導要領の内容が増え、作成しなければならない書類も増え、プログラミングや英語などの業務も増え、さらにコロナ対応で、非常に厳しい状況に置かれています。

原則として時間外労働を命じないと定めた教職員給与特別措置法があるので、公立学校の教員はどれだけ働いても残業代が出ません。

時間外労働をしたのに残業代が払われないのは違法だと、県内の公立小学校の教員が裁判をおこし、10月1日に判決が言い渡されます。
埼玉大の高橋哲准教授は「原告の主張が認められれば、行政は時間外労働に対価を払うか、教員を増やすか、学級の子どもの数を減らすなどの対策に、教員の、教員の働き方の改善になる」と語っています。

東京新聞 2021.9.24
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