くじらさんからメールをいただき、素晴らしい論考でしたのでみなさまにも紹介させていただきます。

執筆:くじらさん

1月7日、東京・埼玉・神奈川・千葉各県に緊急事態宣言が発令されました。
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緊急事態というからロックダウンのようなことかと思ったらそんなことはなくて、飲食店への一日6万円の協力金を見返りとする時短営業の要請(ただし罰則付き)、とテレワークの推進だけのことのようです。
しかし、これで本当に感染拡大を食い止めることができるのでしょうか。 

コロナ禍の終息に向けてやるべきことは何か。
1月4日の文化放送「大竹まことのゴールデンラジオ」で、獨協大学の森永卓郎さんが次のようなことを言っていました。
 
コロナ対策は感染中心地に絞って徹底的に行うべきだ。
第一に東京23区。23区内では人々に外出をやめてもらうとともに、症状のある無しにかかわらず検査をして陽性の人はとにかく隔離する。
感染者がたくさん発見されたら対応できなくなるという声もあるが、隔離場所にはすでに完成している選手村を使えばいい。
無症状の人が自分でも気づかずに感染源となっているのだから、そこを抑えなければ感染拡大はとめられない。こうやって感染中心地での検査と隔離、外出の抑制を集中的に行えば新たに感染する人がいなくなる。そうすればコロナは2週間で抑え込める。
ただし保証は100%行う。
そうやっても、23区の範囲なら費用は2兆円で済む。
財源はまだ7兆円の予備費が残っているのでそこから出せばいい。
これまでのように中途半端に小出しでやっていては効き目がなく、一向におさまらない。


また、東大の児玉龍彦先生も同様の対策を直ちに行うべきだ、まずは感染者を減らすことこそが最大の経済対策なのだ、とおっしゃっています。
私も、これにさいたま市・横浜市・千葉市などの首都圏を加えて実施すれば、事態は好転するのではないかと思います。

ところで、当初の方針やメンツにしがみつき政策を転換できないアベ・スガ政権のコロナ対策は、よくインパール作戦に例えられます。
インパール作戦は、第2次大戦後半の1944年3月~7月、ビルマからインド東部のインパールの攻略を目指したものですが、これを指揮した牟田口中将が精神主義に凝り固まって「必勝の信念」・「積極果敢」をかかげ続けたたため撤退の判断が遅れ、参加10万人中3万の戦死者、2万の戦傷・戦病者を出すという悲惨な結果を招きました。戦死者の多くが直接の戦闘ではなく餓死であり、これも食料補給を軽視した精神主義の結果といわれています。
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また、当時の首相東条英機は、当初戦果の上がったインパール作戦に自己の戦争指導と政権維持をかけていたため、戦況の悪化を伝えられても中止の判断ができなくて逆に「弱気」を叱ったのだそうです。(戸部良一帝京大教授 日経Biz Gate 2018.8.16「悲劇のインパール作戦」を生んだ牟田口・河辺・東条 より)
これもGo Toや小池都知事のフリップ記者会見といったコロナ禍を利用しての「自己利益の拡大作戦?」と重なるところがあります。

さて、話を戻しましょう。この状況に応じて政策を修正することができないというアベ・スガ政権の体質は、歴史家の 山崎雅弘さんによれば、インパール作戦だけでなく日中戦争から敗戦まで軍部や政府に共通していたも ののようです。 

なぜ修正できなかったのかというと、日中戦争についていえば、盧溝橋事件(1937年7月)の2か月後の国会開院式で、天皇が「蒋介石政権が反省するまで武力行使をやめない。」という軍部の方針にお墨付きを与える発言をしてしまったからなんだそうです。
これによって相手との交渉の余地がなくなって、政府は当初の不拡大の方針にもかかわらず後へ引けなくなってしまった、と。(「1937年の日本人」朝日新聞出版より要約)

当時の日本では、何か上から錦の御旗が示されると、心中おかしいぞっと思いつつも、そ れに対する忠誠心を示すためにみんな口をつぐんでしまったのでしょう。
ましてそれが現人神とされた天皇の言であれば。
結果、意見を出し合って検討し理性的・合理的な判断を下すということができなくなって降伏が遅れ、日本とアジア諸国に膨大な犠牲者を出す結果になりました。
そういう空気を読む、悪く言えば自己保身の立場でしかものを言わない人たちが国の中枢にいたのだと思います。あのときは異論をさしはさめる空気ではなかったのだと言い訳しても、失われた命は戻ってきません。

そして75年後の今、コロナ対策でも政治家や官僚のやることは似ているなと 思います。
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オリンピックをやるんだと息巻いて後に引けなくなり検査や隔離に は消極的、時間があったにも関わらず医療体制はろくに整えず医療従事者に丸投げ、あろうことか、ここぞとばかりに給付金やGO TOを政権維持と利権拡大に利用しようとする・・・これはマズイといえる 与党政治家や官僚はどこに?

こういう、歴史に学ばない「今だけ、金だけ、自分だけ」の人たちには、さっさと退場してもらいたい、そして年内に行われる衆議院選では「公共の福祉=みんなの幸せ」を考えられるまともな人を選びたいものです。