デモクラシータイムス.が人権無視の必要性のない公共事業・石木ダムを取材した番組です。
ふるさとを愛し、この土地に住み続けたいと願う住民は明るく助け合って40年以上反対を貫いています。
住民の声、支援者の声、賛成派の声、ダム問題を考える議員の声、そしてまた住民が指摘する止める方法と、それを許さない存在などお聞きください。


 ニュースの現場を歩く「デモタイ取材旅」シリーズ。
今回は、長崎県川棚町の石木ダム建設予定地を訪ねました。
ここでは約半世紀前に始まったダム計画に対して、地元川原(こうばる)地区の住民による親子二代にわたる反対運動が続いています。
水不足解消と治水を目的として始まったダム建設計画は、社会構造の変化とともに水需要は減少し、当初の目的からかけ離れたものになっています。
治水についても、川棚川の支流である石木川をせき止めても効果は限定的です。
蛍の里を水の底に沈めてまでダムを造る意味がないとして、川原地区の13戸の住民は、毎日工事現場で座り込みを続けてきました。
全国でも稀な長期の抵抗が続く現場です。川原地区住民の故郷を守る意志は固く、ダム建設の見通しは立っていません。


パタゴニア元日本支社長・辻井隆行さんがインタビューで石木ダムの話をしています。
誰もが幸せになる解決策をみんなで話し合うことが大事。

◆「そろそろみんなが勝つ方法を考えよう」
https://charitsumo.com/interview/15842 

最近、ダムとは別の気候変動問題に関するシンポジウムに出席して知ったのですが「公正な移行」という考え方が国連などで提唱されています。
どんな考え方かというと、例えば、50年、100年単位で役立ってきたテクノロジーが、何かの理由で技術の弱点が見つり、もう使えなくなったとします。社会の流れとして、新たなテクノロジーを導入することになったと。そうなったときに、古いテクノロジーに携わってきた人たちを置き去りにしないで、一緒に移行していきましょう、という考えが「公正な移行」です。

海外では、税金を使って、石炭火力発電で働いていた人たちが、ソーラー発電の現場に移行した例もあります。石炭火力とソーラーエネルギーでは、必要なスキルも技術も違うので、職業訓練をなんと最長10年間も保証したんです。

さに公正な移行の考え方ですね。そういうことが世界各地で起こり始めているんです。すごくいいですよね。全体にとって一番持続可能な方法じゃないですか。
今SDGsって世の中ではやっていますけど、それも「誰一人取り残さない」ってなっていますよね。

これを石木ダムの話に重ねてみると、まずはみんなで話し合わないといけないと思うんですよね。僕自身が答えを持っているわけではないんです。専門家ではないんで。
ただ、素人なりに考えることは、ダムの予算538億円のうち、ダムの本体工事に充てられる300億円は長崎の地元の業者に行くんじゃなくて、東京とか大阪の大きなゼネコンに行っちゃうんですよね。なんかもったいなくないですか?
限られた税金を上手に使って、地元のためになるようにできないものかと思うんです。

「まずはいろんな立場の人を集めて、話をしようよ」、そんな“はじめの一歩”として僕らが求めていることは、話し合いなんです。

僕自身も、始めは「誰かの不幸の上に成り立つ幸せでいいんですか?」と思っていたのですが、今は本当に、日本という国の在り方が、このままいくとまずいと思うようになりました。悪い意味での島国根性が出ている気がします。世界の今の情勢や関係性を顧みないで「日本はこれでいいんだ」と言える時代じゃないと思うんですよね。

いいかげん、誰が勝って誰が負けてっていうことを決めるのではなくて、そろそろみんなが勝つ方法を真剣に考えないといけない
このまま永遠に勝ち負けが続いていくと、その間に犠牲になるのは、他でもなく弱者なんですよ。これはよくないな、と思っています。


政治に触れることに関しては、周りからもよく言われますね。

でも、僕は「政治的なものに触れてはいけない」という社会的な見方が活動を難しくしていると思います。

「政治に触れちゃ、まずいよね」というのはおかしい。だって、未来のことを決めるのに、政治の話なしでは無理じゃないですか。自分はどういう未来にしていきたいのか、みんな主張しないと。

これは、坂本龍一さんが言っていたことなんですが、民主主義って1億人があっちだ、こっちだ、ってわあわあ言っているといつまでたっても物事が決まらないから、代表を立てたものです。

だけど、代表が何をするかに対して、1億人がわあわあ言い続けないといけない。じゃないと代表は迷ってしまいます。だから、わあわあ言うことが大事なんです、と。

これ、すごくわかりやすいですよね。だから僕も、いろんなところで「わあわあ言いましょう」って言っています。