テレビをつけると安部さんを持ち上げる論調が多くて、なんでこんな日本全体が知性も理性も正義もない国になってしまったのだろうかとおののきます。

泣きたくなる。

白井聡さんも「論座」で日本人が3割安倍政権を支持してきたことについて、「自分の足許が崩れ落ちるような感覚、深い喪失感」と語っています。
安倍政権にについてのまっとうな論考です。
2020-08-31_09h41_52

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 安倍政権がなぜ許容できないのか、許容してはならない権力なのか。あれこれの政策が問題なのではない。政策が時に奏功しないことは致し方のないことである。

 無論、あちこちで指摘されてきたように、どの領域においても安倍政権は長期安定政権にもかかわらずロクな成果を出せず、ほとんどの政策が失敗に終わった。だが、真の問題は、失政を続けているにもかかわらず、それが成功しているかのような外観を無理矢理つくり出したこと、すなわち嘘の上に嘘を重ねることがこの政権の本業となり、その結果、「公正」や「正義」といった社会の健全性を保つために不可欠な理念をズタズタにしたことにほかならない。したがって、この政権の存在そのものが人間性に対する侮辱であった。

 そして、公正と正義に目もくれない安倍政権がその代わりとする原理は「私物化」である。私物化されたのはあれこれの国有財産や公金のみではない。若い女性の身体や真面目な官吏の命までもが私物化された。だから結局、目論まれたのは国土や国民全体の私物化なのだ。

 かくして、モラルは崩壊し、政治の場、国家機構そのものが、政官財学で跋扈する背広を着た強盗どもによる公金のぶん取り合戦の空間と化してきた。新型コロナ対応のための補助金支給業務において、この腐敗は鮮やかに現れた。私物化の原則は権力の頂点から発し、恥を知る者を除く万人を私物化競争へと誘い出して行ったのである。

 私たちの再出発は、公正と正義の理念の復活なくしてあり得ず、その復活のためには、総理自身の違法・脱法行為の究明が絶対的に必須である。少なくとも、山口敬之レイプ事件、森友学園事件、加計学園事件、桜を観る会、河井夫妻の事件の計5件の事件については、徹底的な究明がなされなければならない。そして当然、究明に引き続いて、安倍のみならず関与した他の者の訴追と処罰もなされなければならない。

 だが、安倍晋三によって私物化された日本を取り戻すという民衆のプロジェクトは、いま確かにひとつの成果をあげたのである。私たちは、選挙はもちろんのこと、デモ、SNS等、あらゆる手段を通じて声を発し、公正と正義の実現に向けてさらなる努力を重ねる必要がある。安倍政権とは、腐食してしまった戦後日本の産物であり、その腐食を促進加速させる動力ともなった。腐食から破滅に向かうのか、それとも急カーブを描いて上昇気流を摑むことができるのか。私たちはいまその瀬戸際に立っているのである。