東京新聞の読者投稿の「発言」欄に、「4月10日の台風19号の水害の時の八ッ場ダムの記事で誤解を招く記述ではないか」という投書がありました。
八ッ場ダムは当時たまたま試験湛水中だったので、たくさん水を貯められたのです。

この投書の主はいつも浦和スタンディングしている方のお連れ合いです。
とても仲のいいご夫婦でよくお二人でいろんなことを話ししているそうで、八ッ場ダムのことも正しく認識してくださっています。
2020-04-20_21h04_22

十日最終面「備えよ!首都水害」に、八ッ場ダムを含む利根川上流七ダムによって東京の海抜ゼロメートル地帯の大規模水害が回避できたとあった。事実とはいえ、これが八ッ場ダム本来の能力だという誤解を招かないだろうか。

昨年十月の台風19号でこれらのダムが一億四千五百万トンを貯留したとあるが、半分以上の七千五百万トンは八ッ場ダム(関東地方整備局発表)。これほど貯留できたのは試験湛水中で、ダムがほぼ空だったためだ。

本格運用後なら当時の空き容量は三千五百万トン程度(国交省運用計算)しかなく、今回七ダムが貯留した送料の三分の一近くが八ッ場ダムから緊急放流された計算になる。この貯留能力が今回限りだったことを改めて認識し、下流域の治水対策を進めてほしい。

国交省におけるダムは、経産省における原発のように国策として押し進められてきました。
大きな予算を使い、自然を壊し、コミュニティを壊してきました。
ダムに予算を使い、洪水防止に効果的な堤防整備や河床の掘削は後回しにし、結果的に近年の大水害を招いてきました。

日本中のダム反対運動をデータによって支えている嶋津 暉之さんによると、国交省の台風19号の時のダムの効果の数字は根拠がしめされていないそうです。

◆根拠が示されてない八ッ場ダムの治水効果についての国交省の発表
https://watersaitama.blog.fc2.com/blog-entry-416.html 

国土交通省は八ツ場ダムそのものの効果は示していません。

国土交通省は利根川上流7ダムによって利根川・八斗島地点で約1mの水位低下があったという発表を昨年11月にしたものの、八ッ場ダム等の個別ダムの効果は検証しておらず、今後、その検証を行うかどうかも未定としています。

個別ダムの効果を示せないのですから、この計算にどこまでの科学性があるのか、疑問です。

そして、利根川上流ダムの治水効果が八斗島地点でたとえそれなりにあったとしても、利根川の中流から下流に行くと、ダムの治水効果は次第に減衰していくのであって、八ツ場ダムがあったから、首都圏、東京が助かったとするのは根拠がない憶測の話でしかありません。

八ツ場ダムの効果があると言っているのは、山田正・中央大教授ですが、山田氏はその計算根拠をきちんと示しているわけではありません。

それも、「都市問題」今年2月号で「利根川上流域のダムが全てなかった場合、八斗島地点では約70㎝~1m程度水位が上昇していた可能性があり、その中でも八ッ場ダムがなかったと想定した場合には50 cm程度水位が上昇していた可能性がある」と書いておきながら、3月13日のNHK前橋の放送では「台風19号では八ッ場ダムによる水位低減効果は八斗島地点で67cmあった」と語っており、数字がぐらついています。
どの程度の根拠があるのか、わかったものではありません。