報告:びえほさん

2020年2月24日、OLDs@大宮が大宮駅西口デッキで宣伝活動を行いました。
参加者は浦和スタンディングの寅さんと、OLDsのびえほの2人でした。
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この日は雲一つなくきれいに晴れ上がり、西口デッキはぽかぽかで、薄いセーター姿でも暑かったです。

新型コロナウイリス感染で人出は比較的少ないかも、という予想は完全にはずれました。振替休日なので学校はお休み。いつもだったら学校の教室にいる小中高校生たちがわっとくりだし、デッキは賑やかでした。

意外だったのは、マスクをしていない人が目立ったこと。
そういえば、うちの寅さんもしていなかったな。

この日の成果は、署名が3筆、チラシが16部、トークが6件でした。

トークの相手は以下の通りです。

(1) 20歳の男女2人組
(2) とても賢い小学6年生の女子2人組
(3) 17歳の男女2人組。男性の父上は自衛隊員
(4) まじめな19歳の大学生
(5) 15歳の男女2人組。男の子は非常にシニカル
(6) 小学6年生の女生徒2人組


(1) 20代の男女2人組

「9条を15秒で知りたいとおっしゃるわけですよ」と言いながら寅さんが若い男女の2人連れを連れてきました。
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いつも不思議に思うのは、寅さんがお客様を捕まえると、15メートルほど離れて陣取っている私のところまで連れてくるのですが、お客様はなにか魔法でもかけられたように寅さんに従ってすーっとこちらに移動してくるのですよね。どうやって引き留めているんでしょうね。(もっとも今日は小学生の男子2人組に途中で逃げられましたが、これはきわめて珍しい例外です)

連れてこられた男女はいずれも髪を栗色に染め、男の子は耳たぶにピアスをしていたんじゃなかったかな。外見からは「政治なんて関係ねえ」といった雰囲気に見えます。

「9条って知らない?」

「知らない」と2人それぞれに。

「憲法は知っているよね。憲法の9番目の条項」

男の子が聞いてきました。「9条って何するんですか」

質問してくれる、というのは関心が少しはあるっていうこと。
こういう時はこちらの説明も少しゆっくりめで大丈夫。

さっそく9条の条文を書いたプラカードを見せます。
そして2項を読んでもらいます。(1項はいつも省略してます)

読んでいる途中で男の子が、「ああ」と声を上げます。
どうやら思い出したみたい。女の子も「ああ」と。

「なぜかって言えばさ、日本は戦争をやってぼろ負けしたわけでしょ。その反省があるんだよ。ところが今これを変えようっていう人がいるわけ」

今度は女の子が、「戦争しよう、っていうこと?」と質問です。

「自衛隊がもっと戦争に参加しやすくなるようにしようって、そういう法律を5年前に作っちゃったの」

「へえー」と女の子。

「みんな反対したの。憲法違反だって」と、安保法反対デモのプラカードを見せます。
そして安保法の説明。

「ひどいって思わない? 日本が攻撃されていなくても、アメリカと一緒に戦争ができるようにしちゃった」

「ひどい」と女の子。男の子も同意。

最後に年齢を聞きました。20歳だとのこと。

「じゃあ、もう選挙権あるんじゃない。ちゃんと投票してる?」

「してません」「してない」

ということなのでお説教をしておきました。

とてもまじめて素直な2人でした。


(2) とても賢い小学6年生の女子2人組

「この子たちすごいの」と寅さんが女子小学生2人組を連れてきました。
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学年を聞いたら6年生だとのこと。話し方もとてもしっかりしています。

「憲法って知ってる?」

「はい」

「憲法9条って知ってる?」

「なんか、戦争をしない…」

「そお! すごい! で、今、それを変えようという動きがあるんだけど、知ってる?」

「なんか、外国に自衛隊を派遣して」

「そう、満点だよ」

安保法についても知っていました。

この子たち、これまでトークしてきた小中高校生の中でトップスリーに入りますね。

でもこうした違いは何でなんだろう。

とにかく学校で基礎的な知識をしっかり身につけさせることは必要ですね。


(3) 17歳の男女2人組。男性の父上は自衛隊員

「立ち止まってくれたんだけど、9条がよく分からないと。13秒で語ってくれと」と言いながら寅さんが男女のカップルを連れてきました。
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「お安いご用。ここに書いてある」と憲法9条のプラカードを見せました。

そうしたら男性が「親が自衛隊だから」と教えてくれました。
何でも北海道に配属され、稚内で単身赴任で勤務しているとのこと。

トーク相手が自衛隊関係者。これは初めての経験ですね。

まず、これまでの自衛隊の存在についてざっと復習しました。災害救助と専守防衛。

「それが今や、安倍さんの下で変わっちゃったんだよ。どんな風に変わったのか知ってる? 自衛隊員が戦争にかり出される危険が出てきちゃったの」

ということで安保法の説明です。彼氏、父親が自衛隊員だというわりに、こうした情報に詳しくありません。

「とにかく今までの自民党政府の専守防衛という政策を完全にひっくり返しちゃったの」

男の子は「それはやばい」という雰囲気。

「憲法に反する法律を作っちゃいけない」と男の子。

「そうなのよ。いけないのよ。だから今、安倍さんは、憲法変えちゃおう、と言っている。法律にあわせて憲法を変えよう、というわけ。これはまずいですよ。とりわけ自衛隊の人にはこのことを勉強して欲しい」

「身内としては行って欲しくないから」と男の子。

そこで、軍法がないまま、戦闘部隊としての自衛隊を海外に派遣することの重大な危険性について話しました。これは伊勢崎賢治氏が強調していることです。

「今のままで自衛隊が海外に派遣されて誰かを殺したとしたら、殺人になっちゃう。法律の体制ができていないの。でもとにかく自衛隊を外に出したいんだよ。で、憲法を変えればそれができちゃう。でもそれは怖いこと」

「こわいなあ」と男の子。

「そこのところ考えてくれないかな。とりわけ身内に自衛隊の人がいるんだったら」

「そうですね」

最後に年齢を聞きました。
20歳を過ぎているのかと思ったら意外や意外、17歳の高校生でした。


(4) まじめな19歳の大学生

「この青年、実に毅然とした態度でですね、9条改憲の議論はするべきだ、だけど変えない方がいいと言い切るところがすばらしくて」と言いながら寅さんが長身の青年を連れてきました。
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青年は言います。「憲法というのは戦争をしないための最後の砦なので変えちゃいけない」

「特に今の安倍さんの下ではねえ」とこちらも相槌をうちます。

「日本はイギリスやアメリカと違って政治に興味のない人が多くて。今のままでいいと」

「うん、若い人がね」

「若い人もそうですけど、周りの人がみんな」

その後の彼の議論はちょっとよくフォローできませんでした。
「今の政治が悪いから悪い法律ができて、それで運動ができない」と言うのですが。
もうちょっと具体的に説明してもらえばよかったですね。
こちらからの訴えを早く、とあせりすぎました。

年齢を聞いたら19歳で学生だとのこと。理系だけれど、教育や法律についても学んでいて、いろいろと社会の問題についても考えているみたいでした。

チラシを渡しながら署名をお願いしたら、二つ返事で引き受けてくれました。


(5) 15歳の男女2人組。男の子は非常にシニカル

寅さんが若い男女のペアを連れてきました。
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年齢を聞いたら15歳の中学3年生で、この4月から高校だそう。

この2人もまた憲法9条が何か知りませんでした。

ということで9条のプラカードを読みながら説明します。
続いて、安倍首相の改憲案、5年前の安保法についても説明しました。

この間、受け答えするのはすべて女の子の方。
男の子はじっと黙ったままでした。

男の子が口を開いたのは、私が「もしも憲法が改正されたら自衛隊は自由に海外に派兵されることになってしまう」と言った時。

「別に国内でやらなければいいんじゃないの」

「でも日本の若者が死ぬんだよ」

「死にたい人が死ねばいい。戦争に行くことを強制しなければいい」

「何のために戦争するの?」

「利益を守るためじゃないの?」

「そのためには何をやってもいいんだ」

「最悪いいんじゃないの」

「もっと別の方法はないのかねえ」

「話し合いが無理だから戦争しているんですよ」

「でもその犠牲はとても大きいっていうことを日本人は学んでいるんだよね、本当は」

こんなに若い男の子からこうした議論を聞かされるのはこれが始めてでした。気になったのは、その口調と視線。言っていることの中身も中身ですが、そのシニカルな口調と視線は、大宮でのトークで始めて経験するものでした。


(6) 小学校6年生の女子生徒2人組

「見て下さい。この2人。利発そうな」と寅さんが2人の女の子を連れてきました。

「何年生?」と聞いたら「小学校6年生です」

「大きいねえ」

「ふふふ」

で始まりました。

寅さんは「安倍政権と9条について話してもらえ」と言ったそうです。

「意味分かった?」って聞いたら、「全然分かんないっす」

「9条って分かる?」

「分かりません」

ということで、プラカードを見ながらいつものお勉強です。

でもだんだんと彼女たちそわそわしてきました。
視線が泳ぎだし、もはやこちらのいうことはほとんど頭に入っていない模様。

話が理解できないのかと思ったのですが違っていました。

話が安保法の中身に入ったとき、女の子の1人がスマホを振りながら言いにくそうに言いました。「あのお、集合時間が…」

そうだったんですね。「13秒」はとっくに過ぎて、集合時間が迫っていたのです。

「ごめん、ごめん。それでそわそわしてたんだ」

「ごめんね。じゃあ、これ読んでくれる?」とチラシを渡してさよならしました。

いやあ、本当にやさしいな。話の腰を折りたくなかったんですね。申し訳ないことをしました。

(残念ながら彼女たちの写真はありません。寅さんが誤って削除してしまったみたいです。「山口百恵と森昌子に似た少女とでも書いとけばいいんじゃないでしょうか?」との助言をいただきました。