報告:ガタコさん

後援会の動画です。



ゼン・ハニーカットさんの訴えを、これまでのゼンさんの活動を知らなかった人にも伝わるように、講演や本を参考にして、今回のレポートにまとめました。
文中で紹介したゼンさんの著書を読めば、より深い理解と勇気が得られると思います。

S__12599313

◾ 食物の安全保障と地球環境

地球規模で多くの人が日々の食物をおカネで手に入れ生活しています。
ですからおカネがないと飢えてしまいますが、おカネがあっても天災等で食料供給が足りなくなると価格が上がり、多くの人が飢えてしまいます。
農作物を化学物質や遺伝子組み換え技術を使って、まるで工場で生産するように、人手をかけず大量に作り出して安価なものにしたら、世界に安定的に食料を供給することになるのでしょうか。

農作物は工業製品のように延々と同質のまま大量に生産されうるものではないし、土壌は疲弊していきます。
しかも種子が、安全が確立されていない化学物質や遺伝子操作で汚染され、空から撒かれる農薬が空気も水も土壌も汚染すれば、将来に渡って人類だけでなく他の生物も地球規模で病み、崩壊していくことになります。

■モンサント社の販売戦略

1980年代に遺伝子組み換え育種という分野が確立し、1996年、アメリカのバイオ化学メーカーであるモンサント社が、遺伝子組み換え技術を使ってグリホサートを主成分とする除草剤(モンサントは1970年にグリホサート除草剤であるラウンドアップを開発)に耐性をもつ作物種子を作り発売し始めました。
そして遺伝子組み換え種子と農薬をセットにして、農業システムを変える勢いでアメリカから世界へ遺伝子組み換え作物の作付け面積を拡大していきました。

環境への影響や安全性への不安から、2003年に「カルタヘナ議定書」による国際的な規制がなされますが、アメリカは批准していません。

そして2012年に登場したゲノム(遺伝情報)編集技術に対してもアメリカは規制をしていません。

◾ ゼン・ハニーカットさんの活動:Moms Across America

これまで何度か来日して遺伝子組み換えとグリホサートの危険性を講演をとおして訴えて来ているゼン・ハニーカットさんは、2013年に大きく動き出したMoms Across America という子どもたちの健康を第一に考える母親たちの組織の創設事務局長であり、Mothers Across the Worldの共同創設者です。

今回の来日で、ゼンさんは日本のママたちや関心のある人たちに、これまでの活動で学んだことや日本の食料供給システムの危険性を明示して、子どもの生命と健康を守るため、つまり人類存続のためにひとりひとりが行動を起こしてほしいと訴えました。

今年10月にはゼンさんの著書の日本語版『UNSTOPPABLE(あきらめない)ー愛する子どもの「健康」を取り戻し、アメリカの「食」を動かした母親たちの軌跡ー』現代書館、が出版されています。

▪ 遺伝子組み換え(GM:genetical modification)食品の危険性に気付いて

遺伝子組み換え技術の安全性に不安がある中で、ゼンさんは母親として、息子達の深刻な食物アレルギー症状や自閉症の原因が遺伝子組み換え食品にあるのではないかと考え真剣に調べ始めます。

トウモロコシの遺伝子にはBt毒素が組み込まれ、それを食べた根切り虫は腹に穴があきそこに毒素が入り込んで殺されます。トウモロコシ自体が殺虫剤に改変されるわけです。
またトウモロコシ・大豆・甜菜・菜種・綿実等には除草剤に耐性をもつように遺伝子組み換えがなされているため、細胞にまで除草剤(ラウンドアップ)主成分のグリホサートは吸収されており、洗っても
調理されても落ちません。

レタスやトマトの色味を良くするためだけの遺伝子組み換えもありますが、組み換えられている遺伝子がどのような危険をはらんでいるのかわかっていません。

遺伝子組み換えについて多くの研究があり、弊害が証明されて来ていたので、ゼンさんは家族の食事を非遺伝子組み換え(Non-GMO)に切り替えました。するとそれまで様々なアレルギー症状で苦しんでいた長男ベンくんの健康に顕著な改善が見られるようになります。

このことから子供の健康問題が遺伝子組み換え作物に関係があると十分に考えられますが、それを証明するのは容易なことではありません。
ヨーロッパでは予防原則をとって遺伝子組み換えに厳しい規制を敷いていますが、アメリカは規制どころか表示義務も無い状態でした。

▪ 反モンサントの大きなうねり

ゼンさんは2012年にカリフォルニア州に遺伝子組み換え(GMO:genetically modified organism)の表示発議(住民投票)を求める運動にボランティアとして参加します。
その運動を主唱した人が2013年5月には大規模な反モンサント大行進(400を超える都市に200万人以上が集結)を興し、ゼンさんはMoms Across America を組織して、2013年7月の独立記念日のパレードに「健康的な子どもたちを作る食べもの・遺伝子組み換えの表示・食品に含まれているものを知る権利」を和やかに穏やかに訴えて参加しました。

その数は直接参加した人だけで170の団体で約150万人、テレビ中継やSNSをとおして活動を知った人は数百万人に達します。家族の健康を思いやる母親の愛のパワー全開です。こうして同じ思いの各地域のMoms Across Americaの母親が核になって、科学者、医者、農業者等と連帯したコミュニティを活性化させていきます。

▪ 危険なグリホサート

このパレードの後、ゼンさんは、遺伝子組み換え作物の80%がグリホサート除草剤に耐えられるよう遺伝子が組み換えられていることから、科学者や研究者にインタビューしてグリホサートの真相に迫っていきます。

有害化学物質であるグリホサートは除草剤として撒かれるため、土壌や水や空気を汚染し、農作物や加工食品、家畜の飼料にも入り込みます。そのような飼料を与えられた家畜に生殖異常や奇形がみられたり、実際に動物実験で臓器障害を起こすことが証明されています。

ゼンさんは科学者や環境保護庁の専門家の会議に参加したり、大量の研究論文や報告書にも目を通して、グリホサートの毒性を学びました。

そして次男のボディーくんが8歳で自閉症の症状が出た時、ボディーくんの尿からグリホサートが検出されます。ボディーくんはグルテンアレルギーを持たないのでゼンさんが時々与えていた有機ではない小麦(パン等)が原因でした。
小麦は収穫1~2週間前に枯らして満遍なく乾燥させるために大量の除草剤が散布されるのです。

ゼンさんは食材を徹底的に有機にし、腸内に悪玉菌が増えないように糖類を断ち、発酵食品であるザワークラウトを食べさせる等をして6週間後にやっとボディーくんの尿からグリホサートが検出されなくなり、症状も治まりました。

小児期ワクチンにもグリホサートは含まれていて、ワクチンが投与されたときに血液中にグリホサートがあると、それがない場合に比べてはるかに大きな危害が及ぶという試験結果も出ています。

グリホサート除草剤は血液脳関門を破壊し、脳内に毒素を浸透させます。グリホサートがこのように様々な障害やまた癌をも惹き起こすことが多くの研究で証明されているにも関わらず、モンサントに雇われている科学者は真実を捻じ曲げた報告の中で安全であると主張してきているのです。

▪ グリホサートの危険性に訴訟が次々

ゼンさんは2015年にモンサントの株主総会で渾身の3分間スピーチをし、総会終盤では科学的根拠のある情報を基に問題点を投げかけモンサントの責任を訴えています。
ダウ・デュポン・シンジェンタの株主総会にも出席し、同様に訴えています。

グリホサートは尿からだけではなく、水道水、そして母乳からも検出され、モンサントの「グリホサートは母乳に入り込むことはなく、害を及ぼすことなく体内を通過し尿中に放出されるものだ」という主張が間違っていることも明らかになりました。

2015年3月にはWHO(世界保健機構)とIARC(国際がん研究機関)がグリホサートを「おそらく発がん性がある物質」と判断。その後モンサントがすでに1980年代初頭から、グリホサートが発がん物質であることを知っていた証拠がみつかり、その後もラウンドアップに晒されることでがんの発症率が増加することが明るみになって、訴訟が次々と起こっています。

▪ 日本の問題と課題

日本でこの話題はマスコミに大きく取り上げられることもなく、2017年8月には農産物のグリホサート残留基準が大幅に緩和(小麦:6倍、ソバ:150倍、トウモロコシ:5倍、ひまわり種子:400倍、ごま種子:200倍、菜種:3倍等)され、他国では規制が強化され輸出が困難になった農作物が日本には入り易くなるという逆行した状況になっています。

十分な審議もされないまま種子法が廃止され、種苗法改変が心配され、ゲノム編集された食品が表示なしで今年10月から出回り始め、遺伝子組み換え表示が実質的に困難になる日本(2023年4月から)。

主要穀物もこれから守りきれなくなる下地が、今の政権下で整えられてしまっている現状で、私たちに何ができるか…

日本の種子を守る会、パルシステム生活協同組合連合会、日本消費者連盟、デトックス・プロジェクト・ジャパン、食べもの変えたいママプロジェクト(Moms Across Japan)、グリーンコープ、生活クラブ生協等、これまでゼンさんを日本に招いて講演会を全国的に展開させてきたグループに関わってきた人たちだけでなく、より多くの市民が今の日本の食料システムの危機的状況を理解して安全な食の未来に向かっていく必要があることを、今回のゼンさんの講演会で強く感じました。

講演の直後、会場で川田龍平議員と大川原雅子議員が超党派の「食の安全を考える議員連盟」を立ち上げる報告をし、
S__12599312
「食べものを変えたいママプロジェクト(Moms Across Japan)」が改めてより多くの人の参加を呼びかけるアピールをしました。

◾ 有機農業と食料供給システム

アレルギーや自閉症を抱えた子どもたちが、遺伝子組み換えや農薬に汚染されていない有機食材をとることで健康が大きく改善された多くの実例から力を得て、アメリカのママ達は食料供給システムを変える勢いです。(2019年7月1日付 朝日新聞に「有機食材続ければ 体内の農薬大幅減」という研究報告が掲載されています)

ゼンさんは著書の中で、次のように言っています。
「世界において、食べものの85%を購入しているのが母親たちです」
アメリカでは有機食品の購入が急増し、有機農家の収入が伸びているそうです。

そしてMoms Across Americaは「GOLD STANDARD」という独自の民間認証(ゲノム編集食品も遺伝子組み換え食品も農薬も避けられる)を発行しています。

このことはこれからの日本(表示が無くなる状態でGM食品もゲノム編集食品も流通)にとっての緊急課題です。国連の報告書には「手遅れになる前に目を覚まして・オーガニック食品が世界中の人に食料を供給する唯一の手段」とあり、ヨーロッパでも遺伝子組み換え作物やグリホサートのような有毒化学物質を予防原則の下に禁止して、国の助成の下で有機の小規模・家族農業が広がって来ています。

先ずは学校給食を無農薬・有機食材で

そして子どもたちに安全安心な食べものを供給する具体的な行動として学校給食を有機食材で提供する動きが、ヨーロッパだけでなくお隣の国韓国(有機食材で給食費無償)でも広がって来ています。

日本でも東京都武蔵野市、長野県上田市、千葉県いすみ市、愛媛県今治市、千葉県木更津市、兵庫県豊岡市等で実践されてきていますが、認知度が低い上に、主要穀物種子法の廃止や種苗法の改変によって有機農業そのものが困難な局面を迎えようとしています。

最後にゼンさんの言葉;Why not you ?!
(どうして君じゃないの → 君こそやるべきだよ)


イベントについての第一報はこちら
http://blog.livedoor.jp/ura_sta/archives/39237646.html