国会で松山政司議員と赤羽国交大臣と安倍首相が八ッ場ダムを絶賛してました。

ダム問題の専門家の八ッ場ダムについての論考です。
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◆八ツ場ダムは本格運用されていれば、今回の豪雨で緊急放流を行う事態になっていた
https://watersaitama.blog.fc2.com/blog-entry-128.html

   嶋津 暉之

関東地方整備局の発表によれば、今回の豪雨で、八ッ場ダムに貯留した洪水は7500万㎥です。

◇関東地方整備局「令和元年台風19号における八ッ場ダムの試験湛水状況について」

八ッ場ダムの洪水調節容量は6500万㎥ですから、1000万㎥も上回っていました。
試験湛水の初期段階であったので、1000万㎥オーバーの貯留が可能でした。

八ツ場ダムの貯水池容量の配分は下図の通りで、下の方から計画堆砂容量1750万㎥、洪水期利水容量2500万㎥、洪水調節容量6500万㎥で、総貯水容量は10750万㎥です。貯水池の運用で使う有効貯水容量は、堆砂容量より上の部分で、9000万㎥です。
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今回の豪雨では関東地方整備局の発表によれば、貯水位が54m上昇し、573.2mになったということです。

豪雨前の貯水位573.2m-54m=約519mは下記の貯水池容量配分図をみると、計画堆砂容量の上端(最低水位)536.3mより17mも低いレベルです。

すなわち、今回の豪雨では、本格運用では使うことができない計画堆砂容量のかなりの部分を使い、さらに、利水のために貯水しておかなければならない洪水期利水容量2500万㎥も使ったから、7500万㎥の洪水貯留が可能であったのです。

本格運用で使える洪水貯水容量の上限は6500万㎥ですから、今回の豪雨で八ツ場ダムが本格運用されていれば、満杯になり、緊急放流(流入水をそののまま放流)をしなければならない事態になっていました。

そして、利根川の場合は7月1日~10月5日が洪水期で、八ッ場ダムは10月6日から水位を上げて、洪水調節容量の空きを減らしていく時期ですから、10月中旬の台風時には洪水を調節できる容量が6500万㎥よりもっと小さくなっています。

雨の降り方によりますが、10月に入って雨が降り続いて、貯水位がかなり上昇した後に今回のような台風がくれば、八ッ場ダムが緊急放流を行う時間はかなり早まることになります。

国交省による八ツ場ダムの貯水池運用の計算例(2004年)を示します。
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この例では10月中頃には貯水量が5500万㎥になっており、満水の9000万㎥までの空き容量は3500万㎥に減っています。

このような状態で今回のような豪雨が来れば、八ツ場ダムは短時間で緊急放流する事態になり、ダムの治水機能はゼロになっていました。

以上のように、今回の豪雨は、八ツ場ダムが治水面で役立たないことを示す例になりました。


あの橋下徹元大阪府知事も八ッ場ダム批判と治水の転換を言っています。
知事時代、大阪の槇尾川ダムの建設を中止し河川改修して、いま住民に喜ばれているそうです。
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◆橋本徹氏「これからの治水行政は、莫大な時間、労力、お金がかかろうとも、やはり河川改修による治水を」
八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会2 
https://watersaitama.blog.fc2.com/blog-entry-131.html 

治水対策としては、ダムを造るよりも、まずは河川をしっかりと整備して、大豪雨であってもきちんと水が流れる河川にしておくことが大原則となる。川幅を広げたり、川底を深くしたり、堤防を強化したりすることだ。
これからの治水行政は、莫大な時間、労力、お金がかかろうとも、やはり河川改修による治水の方に力を入れていかなければならない。都市部で人口が密集しているところであっても原則は河川改修による治水だ。今回威力を発揮した話題の東京の地下放水路は、地上の土地買収が難航することから地下に河川を作ったようなもので、これも河川改修による治水の一環だ。

国会で「後世の人々の命を救う」と八ッ場ダムのデマを流す安倍首相
そのやりとりはこちら


八ッ場ダムの擁護をする書き込みに同じ間違い。
正しくは「八ッ場(やんば)」ですが「ハツ橋(はつはし)」となってます。
民主党を貶めるための組織的な書込みです。
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