報告:管理人八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会のブログ管理人もしています)

今回ダム反対派のSNSやブログにダム推進派やダムマニアと思しき人が大量に書き込んでいます。
下記のツイートに8.2万件のいいねが付いていますが、これはデマです。
 

たまたま湛水を始めたばかりで空きがあったから良かったものの、いっぱいになったら危険でした。

ダム問題の専門家が現時点で公表されているデータからそのことを論理的に解説しています。
八ッ場ダムの17㎝の効果よりも、川整備計画に沿って河道の維持がされていれば、今回の洪水ピーク水位は70㎝程度下がっていたと推測されるとのことです。
◆利根川における八ッ場ダムの治水効果について 現時点のコメント
(2019年10月14日13時)
https://watersaitama.blog.fc2.com/blog-entry-124.html

現時点では、公表されている洪水のデータが限られていますので、言えることは限られていますが、国交省の水文水質データベースのデータを使って検討してみました。
下記の図1は利根川の群馬県伊勢崎市八斗島(やったじま)地点、
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図2は埼玉県久喜市栗橋地点における今回の洪水の水位変化です。
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八斗島地点は利根川の中流部の最上流側、栗橋地点は中流部の最下流に近い場所です。
今回の洪水で利根川の水位が計画高水位に近づきましたが、利根川本川は堤防の余裕高が2mあって、計画堤防高にはまだ十分な余裕がありました。
したがって、今回の台風では、八ッ場ダムの洪水貯留がなく、水位が多少上がったとしても、利根川が氾濫することは考えられませんでした。
また、国交省による八ッ場ダムの治水効果の計算結果は図3のとおりです。
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この図が示すように、八ッ場ダムの治水効果は下流に行くほど減衰していきますので、今回の八ッ場ダムの洪水貯留がなくても、利根川の中流下流の水位がそれほど上昇しなかったと考えられます。

このことを数字で検討しました。
図2の栗橋地点のグラフでは、今回の洪水の最高水位は9.67mで、計画高水位9.9mに近い値になっています。栗橋地点の最近8年間の水位流量データから水位流量関係式をつくり(下記の図4参照)、それを使って今回の最高水位から今回の最大流量を推測すると、約11,700㎥/秒となります。
利根川河川整備計画では計画高水位9.9mに対応する河道目標流量は14,000㎥/秒です。すなわち、今回の洪水は、水位は計画高水位に近いが、流量は河道目標流量より約2,300㎥/秒も小さいのです。このことは河床掘削作業が十分に行われず、そのために利根川中流部の河床が上昇して、流下能力が低下してきていることを意味します。
下記の栗橋地点における水位と流量の関係図(図4)を見ると、河川整備計画に沿って河道の維持がされていれば、今回の洪水ピーク水位は70㎝程度下がっていたと推測されます。
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一方、八ッ場ダムの治水効果は図3の国交省の計算結果を使うと、栗橋地点に近い江戸川上流端のピーク流量削減率は1/50~1/100洪水では3%前後です。
今回の最大流量の推測値、約11,700㎥/秒を97%で割ると、12,060㎥/秒で、八ッ場ダムの効果がなければ、この程度のピーク流量になっていたことになります。
12,060㎥/秒に対応する栗橋地点の水位を、水位と流量の関係図(図4)から求めると、9.84mになり、実績の9.67mより17㎝高くなりますが、大きな数字ではありません。

八ッ場ダムがなければ、大変なことになったというけれども、国交省の数字を使うと、八ッ場ダムの効果はこの程度のものなのです。

河川整備計画に沿って河道の維持に努めていれば、上記の通り、栗橋地点の水位は70cm程度低下していたのであっで、八ッ場ダムの小さな治水効果を期待するよりもそのことの方がはるかに重要です。


石木川まもり隊の隊長さんの解説する「多目的ダムの矛盾」

治水ダムは洪水に備えてダムの水はなるべく少なくしておく方がいいし、
利水ダムは渇水に備えてダムの水はなるべく満水に近い方がいいし、
真逆なのです。

相反する目的のダムをセットにして造るのは国庫補助金が目当てです。
治水ダムは国交省から半分が補助金としてもらえる。
利水ダムは厚労省から3分の1の補助金がもらえる。
両方から補助金がもらえれば県は助かる…
ただそれだけの理由で多目的ダムにするんです。

これは石木ダムに限らず多くのダム建設で見られる傾向です。

石木ダムの治水面だけを見るならば、
①既に河川改修が進み、石木ダム無しでも過去最大の大雨に対応できる(溢れない)
②それでも心配なので、100年に一度の雨に対応できるよう石木ダムを造る
③そう言いながら、JRの鉄橋より下流の堤防は全く整備せず。
水面からわずか50cmほどのところに家が建っているが、そこは港湾課の係なのでと全く関知しない。
④また内水対策は10年に1度の対応しかできていません。

防災のためのダムではなく、造ること自体が目的のダムに変わってしまっています。

お金。 利権。国交省のダムは経産省の原発みたいなもの。

まずは堤防の整備。安価で越流しても崩れない工法の堤防を。
都内の荒川は鉄道の鉄橋の位置が堤防より低くなっている場所が数か所あり、そこから洪水が溢れる危険が指摘されています。最優先でかさ上げを。
河道整備も有効です。
近年の豪雨では堤防の内側で降る雨による内水氾濫も問題になっているのでその対策も必須です。
行政が主導し、危険な場所には家を建てさせないようにすることも重要です。
ダムは洪水時に満水になった時点でそのものが危険な存在になってしまいます。
ダムに頼らない治水を目指しましょう。