千曲川が台風で堤防が決壊して大きな被害を出しました。
治水はダムでなく堤防強化が最優先事項です。
安価で決壊しにくい堤防の工法が確立しているにもかかわらず、国交省はダムを推進するために一度は推進しようとしていた工法を引っ込め封印しています。



長野の新幹線車両基地
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ダムの問題を追いかけているフリージャーナリストのまさのあつこさん。
現在は国会議員秘書をされていますが、台風19号の時は豊富な知見から次々ツイートしていました。
千曲川の洪水と浅川ダムの関係のツイートのまとめです。


まさのさんのtwitter の12日のツイートより
2019-10-15_00h32_13

まさのあつこ @masanoatsuko 10月12日

浅川ダムができると合流地点の浸水時間は長引く(悪化する)シミュレーションを長野県は持っている。

つまり千曲川と浅川の合流地点で起きる水害にマッチしない治水対策だとわかっているのに建設してしまったのが、浅川ダム。

長野五輪の際に、五輪道路を作る予算が足りず、地すべり地帯なので止まっていたダム
計画を復活させダムに沈む道路の代わりの「付け替え道路」をダム予算で作った。

道路ができてからダム計画を立て直したが、水を貯めると地すべりを誘発されることが危惧されたことも背景にあり、「穴空き」ダムにした。しかし、常時水を貯めない「穴空きダム」にすると、肝心の大洪水の時は合流地点でより長く浸水するという本末転倒なシミュレーション結果が出た。それでも長野県は浅川ダム建設を強行した。

反対派はこの地点の下流に狭窄部があり、その河道を広げる方が効果的であるとしたが、千曲川の河川管理者は、すると、さらにその下流が危なくなるとした。

結局、今回は、浅川・千曲川の合流地点の少し上流の堤防が決壊。大洪水が起きればどこかが溢れることは想定できた地区だ。

田中康夫氏が長野県知事時代に、この浅川ダムを含めて「脱ダム宣言」をしたが、水害実態とミスマッチの浅川ダムを、次の知事も地元マスコミも住民に知らせず推進した。
そのカネを河道整備や、水害地帯であることの周知徹底や移転奨励やかさ上げ補助に使うべきだった。

しかし、やったのは、長野新幹線のための車両基地を赤沼に作る(誘致)ことと引き換えに、車両基地ができたら(その体積の分)浸水した場合の浸水深が深くなるので、浅川ダムを作れという、ますますミスマッチな理由で止まっていた浅川ダム計画が動き出して、ついにできてしまった。

はなからミスマッチなダム計画であり今回、溢れることが想定できた地区(穂保)から溢れて堤防が切れ、そして同地域の長野市赤沼に作った新幹線車両基地も、皮肉なことに、浸水した。

新幹線車両基地と浅川ダムのバーターは土建業者のためにしかならなかった。

浅川ダムと千曲川のことについては週刊金曜日や月刊世界で書いてきたが、なんの役にも立てなかったことが悔しい。

河川法を根拠に「河川管理者」の名で、国や都道府県は「河川施設」を作ることを「治水」であるとの幻想を持って国民を洗脳してきたが、本来行うべきは、山と川と地形を読んで解説し、どこに水害や土砂崩れが起きる危険性が高いのかを住民に周知し、危険を想定、察知、対策できる住民を育てることでした。