報告:びえほさん

8月26日、OLDs@大宮が大宮駅西口で宣伝活動を行いました。

この日の活動には浦和スタンディングから寅さんと rera さんの お二人、OLDs から一人が参加しました。この日の成果は署名が1筆、配布したチラシが30部でした。

何らかの形で話すことができたのは以下の8名の方々でした。

(1) 今や常連となった中国嫌いのご婦人
(2) アベ嫌いのご婦人
(3)「軍隊持たないでどうやって家族や娘を守るんだよ」を連発する年配の男性
(4) なかなかしっかりしていた男子中学1年生
(5) かなりしっかりしていた男子高校1年生
(6) ご自分も署名活動をやっていらしたという50代の女性
(7) 署名をしていただいたかなり年配のご婦人
(8) 署名をしたがる年配の男性
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(1) このご婦人とはすっかり顔なじみになりました。
私たちの行動時間がちょうど彼女の通勤タイムにあたっているらしい。ほぼ毎回顔を合わせます。特に寅さんとはすっかり仲良くなって、いろいろおしゃべりしています。中国大嫌い、アベも嫌い、というご婦人でしたが、「昨日の知事選、どうしました?」と聞いたら、「青島に入れたよ」とのことでした。
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(2) 立ち止まってプラカードをごらんになっています。

「日本はどうしてこんなになっちゃったのかしらねえ。国民がバカなのよ」

「いやあ、それを言ったらおしまいですよ」

といったやりとりがありました。

(3) この男性、「大変ですなあ」と言いながら近づいてきました。
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おお、理解者かと、チラシを差し出したところ、

「そうじゃなくてさあ、お宅らの運動もええけども、じゃあ、日本の国民の生命と財産をどう守るの? 誰が守るの? 金正恩はばんばんミサイル飛ばすし、あんた方が言ってることやったら、日本守れないよ。武器を買わなきゃだめなんだよ。買うだけじゃないのよ。開発するのよ。三菱重工とか川崎重工とかやるじゃない。自分の娘や孫なんかが外国からやられたらどうすんの? 中国はもう海岸を埋めて基地を作るしよ。竹島なんて島根県のものだよ。だから軍艦、護衛艦送ってやったらいいじゃないか。世界は文句言わねえよ」

「いやあ、それは…」

「分かったよ」

そう言い残して、男性は立ち去っていきました。ということで対話不成立。

(4) なかなかしっかりしていた中学生
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「なかなかしっかりした子でしてねえ」と言いながら、寅さんが中学生らしき男の子を連れてきました。

このように寅さんは必ず褒め言葉を言いながら連れてきます。
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なるほどそれもノウハウか、と最近ようやく気がつきました。この子も、彼が言うほどしっかりしているようには見えなくて、なんとなく頼りない。

「9条は変えた方がいいとおっしゃるんですよ。よかったらその辺のお話を」と言い残すと寅さんは自分の持ち場へ。

一人残された男の子はかなり戸惑っている様子。

「わあ、困ったねえ。ははは。で、今何年生?」

「中学1年」

「そうか、じゃあ、まだ社会科なんかで憲法のことなんてやってないのかな?」

「憲法やりました」

「あ、やった? で、どんなこと教えてもらった?」

「平和主義。戦争をやってはいけない、とか」

「で、今、それを変えようという動きがあるんだけど、知ってる?」

「自衛隊を…」

「そうそう、よく知ってるねえ。自衛隊を憲法に書き込もうというわけ。そうなるとどうなっちゃんと思う?」

「自衛隊が戦力になっちゃう」

「ああ、そうだよね、確かにね。でもこれまでも戦力ではあったよね」

ということで、安保関連法について説明しました。さすがにこれについては知らなかったようです。

ちょっと頼りなく見えた男の子でしたが、寅さんの言うようになかなかしっかりした中学生でした。


(5) かなりしっかりしていた男子高校生
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4時をまわり、後半戦に入ったところで、寅さんから声がかかりました。

「びえほさん、ちょっと、これ、歯ごたえのある奴が来たんで、○○高校の」

彼なら、3時ぐらいから小さな小さなチラシを通る人に配っていました。コンタクトか何かの宣伝かなと思っていたのですが、高校の文化祭の案内だったようです。

寅さんが解説してくれます。

「大事な面白い意見でですね、一度日本国憲法をゼロにして、そこからやったらどうだろうと。けっこう面白い意見が出たんでですね、これはぜひ白熱するんじゃないかと」

そう言いながらご自分の持ち場へ。

しゃあないです。やるっきゃない。

「じゃあ、今のアベさんの改憲の流れはしっているんだ」

「まあ、だいたいというか。やっぱり改憲の内容とかも含めて議論すべきかなあと」

「まだまだ議論が足りないし、ということだよね」

「75年とか変えてないのは…やはり時代の流れとかに対応できていない感じ…」

「じゃあ、今の時代の流れというのはどう見てますか?

「周囲の国々の安全保障ということが… この前も韓国と何かあったし、領土とかをめぐって… そういう面でもアメリカとかに頼るという状況からは脱した方がいいんじゃないかと。いちばん理想とするのはスイスとか、完全中立で、自分たちの国は自分たちで守るというのがいいかなと」

スイスが出てくるとは思いませんでした。スイスの中立政策は昔はよく言及されていたけど。残念ながらスイスに関する知識不足でこれ以上対応できず、「ああ」と曖昧な相づちを打つだけ。

方向転換をはかります。

「アベさん、ちょっとあせってるよね。来年までに国民投票やって改憲なんて言っているんだから。で、アベさんがどんな風に変えたいと言っているか知ってる?」

「ちょっとまだそういうの具体的に明らかにされていないので」

「されているよ」

「そうなんですか?」

どうやらこうした具体的な点についてはあまり詳しくないようです。

「自民党はもう何年も前に改憲草案を出しているし、アベさんは憲法記念日の改憲派の集会にビデオメッセージを送ってる。現在の9条はそのままにしてそこに自衛隊の名前を書き込む、というんだ」

ということでここからはアベ改憲のワナに関していつもの説明。省略します。

ただ課題は残ります。

アベ改憲を阻止するとして、その先どうするか、ということはわれわれも言っていません。話の最後に彼はこう言っていました。

「これからの時代に備えて積極的に変えていかないとまずいかなと。もう一度ちゃらにして度新しくやったらどうかなと思うんですけど。ずっと与えられているという形でやってきて、つまり自分たちでやったということがないから」

(6)、(7)、(8) の方々についてはいずれもアベ9条改憲NOの立場に立っておいででした。あらためてご報告するまでもないと思い、省略します。寅さんにお任せしてもいいんですが。


以下、私見です。

日本国憲法前文には以下のような一文があります。

「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した 」

(3) の男性の疑問、そして (5) の高校生の問題意識をきちんと受け止めるためにはこの一文をどう理解するのか、議論を深めていく必要があるのではないかと思っています。