報告:びえほさん

昨日(2019年8月12日)、OLDs@大宮が大宮駅西口デッキで宣伝活動を行いました。

この日は誤算続きでした。

開始15分前に着いたのですが、駅ビルを出るとあたり一帯にはそこここに青色ののぼり旗が立てられています。どうやら今月末に行われる埼玉知事選挙の自公候補者青島氏の陣営のものらしい。OLDs@大宮がいつも陣取る場所にも立てられています。

責任者に一言挨拶をと思ったのですが、誰も見当たりません。どうやらまず場所取りを、ということらしい。仕方がないので、ちょっと離れた場所に店を広げることにしました。ここはいつもはエホバの証人さんたちが立っている所。でもこのところずっとお休みしています。どうしたのでしょう。

しばらくすると寅さんが到着。彼は、私のいつもの陣地に腰を下ろし、青いのぼり旗のその真下にプラカードをぶら下げました。
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こうした度胸は私にはありません。
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こうした場所の変更はチラシ配布にも微妙に影響します。いつも立っている場所は通路が微妙にカーブしていて、人の流れが自然と私のすぐ脇を通るようになっています。今日の場所は直線部分で、皆さん、こちらには近寄ることなく、距離を置いて通っていきます。
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そのせいか、あるいは8月の太陽がまぶしすぎた故なのか、開始後、5分、10分、20分過ぎても誰一人チラシを受け取ってくれません。ようやく15時26分になって、60代の男性がチラシを受け取ってくれました。しかしその後、3時台はあと一人60代のご婦人が受け取ってくれただけです。1時間に2部! 最少記録でした。

チラシ部数が少なかったのには実はもう一つ大きな原因があります。

開始して30分近く経った頃、寅さんが60代の男性を連れてきました。
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ちらしを渡すと、「これ個人でやってるの?」

そこでOLDsの自己紹介チラシを見てもらいながら、OLDs誕生の経緯(4年前の安保関連法やSEALDs)、巣鴨での活動、アベ改憲の動きなどについて話しました。

話していてかなり手応えがあります。トランプ政権、米中関係、ロシア、中国、台湾、香港、北朝鮮、ミサイル、イランなどなど、話は際限なく広がります。日米合同委員会(事実上の日本の最高権力機関)についてもよくご存じでした。アメリカは日本を守りませんよ、ともおっしゃる。

話の中で彼が漏らしたのは、自分は以前防衛庁(当時)、そしてその後は警察庁に勤めていた、ということです。なるほどね。だから詳しいんだ。

彼が強調していたのは「中国の脅威」でした。アメリカがアジアから引き上げれば、中国がアジアは中国の思いのままになる。中国軍で使われている教材には、沖縄はもともと中国のものと書かれている。日本は「自治州」と位置づけられている。

「え、ほんとですか? そうした資料をどこでごらんになったのですか?」と聞いても、これは教えてくれませんでした。いったいどこまでが本当なのか。

と、話がかなり生臭っくなってきたのですが、彼が鞄の中からとりだした書類を見て内心がっくり。一面トップには、青空を背景に雪を頂いた富士山のカラー写真。今やお馴染みの顕彰会のパンフレットです。

ということでその後は、「信じる」「信じない」をはじめとする宗教論議に話が移りました。

途中、私がトイレに行ったのですが、戻ってみるとまだおいでになる。結局、この日の行動終了まで、ぴたっと寄り添っていただきました。

さて、顕彰会のおじさんは「朝まで、一晩中話せますよ」とおっしゃる。やれやれ。

それまではおじさんと対面して話しながら、通る人にチラシを(いわばお義理に)差し出していたのですが、今や、通る人の方に身体を向けながらチラシ配りを本格化することにしました。それが4時半を過ぎた頃だったでしょうか。

するとその後、急にチラシの受け取りがよくなったのです。ほぼ分刻み。近づいてきて「署名したいのですが」とおっしゃっていただいた70代の男性もいました。
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すでに総がかりの「アベ9条改憲NO」の署名はなさっていたとのことで、せっかくでしたがお引き取り願いました。

ということで、4時45からの最後の15分間に、チラシ6部を配布できました。

顕彰会さんは、「さくらじゃないけど、もう一人横にいると受け取りがいいでしょう」などと無責任なことをおっしゃっていました。途中、寅さんが寄ってきて、「なかなかコンビネーションがいいですねえ。ずっと二人で組んでやったら」などとこれまた輪をかけて無責任なことを言っていました。

そして最後、終了まであと5分ほど、というときになって、寅さんが二人の娘さんを連れてきました。「すごいのブレーキが、きゅーっと止まりましてね、『9条って何ですか?』ととっしゃるんで」

「9条って何だか知ってます?」と念のために聞いてみました。一人は首を傾げましたが、もう一人が「平和主義」と答えてくれました。

「そうだよ、そう、そう、そう」と私。

続けて聞きました。「今、憲法9条を変えようという動きがあるのは知ってる?」

「自衛隊を作る」と彼女。

「作るんじゃないんだな。もう作られている。自衛隊の名前を憲法9条に書き込もうとしているんだ」

ということで以下はいつもの話なので省略します。

印象的だったのは彼女たちの表情。視線が揺れることなく、しっかりと話を聞いてくれました。

「今、何年生? と聞いたら高校1年生だとのこと。

「それじゃあ、あと3年で…」と謎かけしたら「選挙権」と正解。

「そう、だから政治についても考えないとね」というと、にっこり頷いてくれました。
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「よかったら読んでくれますか」とチラシを渡そうとしたら、顕彰会も富士山を渡そうとするので、「だめですよ、便乗は」と釘を刺しました。

ということで、終わりよければすべてよし。