報告:びえほさん

昨日(2019年5月20日)はOLDs@大宮の行動日。
しかし晴れるのか、雨になるのか、見通しがはっきりしないお天気でした。
時々雲間から青空がのぞいたかと思うと、ぽつぽつと雨粒が。
でもなんとか行動終了時までもってくれました。
ただ風が強かったので、煽られないようにプラカードは低く設置しました。
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この日の宣伝活動はOLDsから一名、その他に浦和スタンディングの寅さんが応援に来てくれました。
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この日の成果は、署名ゼロ、チラシ18部でした。
また (1) 女子高生4人組、(2) 中学1年生の2人組、(3) 70代の女性、(4) 60代の男性と話をすることができました。

(1) 女性校生4人組
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今日のハイライトはこの女子高生4人組でしょう。

2時半過ぎ、寅さんが例によって「人生は道草だ。シール貼ってください」と言いながら、女子高校生のグループを追っていって捕まえました。

「え?、憲法九条を知らない?」と寅さんの声が聞こえてきます」

その直後、寅さんが4人の女子高生を連れてきました。
4人ともとても賢そうな表情をしています。

「この方たち、シールは貼ってくれたんですけど、憲法九条がなんだか分からないそうです。15秒で説明してあげてください」

不思議です。あまり気乗りがしないまま連れてこられたはずなのに、こうしたとき、男子であれ女子であれ、中学生であれ、高校生であれ、みんな素直にこちらの話を聞こうとしてくれます。

「憲法九条本当に知らないんですか?」と私。

「ううん、聞けば分かるかも」

ということで、憲法九条の説明です。

「憲法九条っていうのは、憲法の九番目の条文ということだね。何が書いてあるかというと、戦争はしない、軍隊は持たない。平和主義」
すると彼女たちが「ああ」と反応してくれました。

「この九条を」と言いながら、アベ首相の写真を指さして聞きます、「この人。この人誰ですか。そう、アベ首相。このアベ首相が変えようとしているわけ。

「どういう風に変えようとしているかっていうと、アベさんは4年前に法律を作ったの。たとえ日本が外国から武力攻撃を受けていなくても、同盟国のアメリカが攻撃された場合には一緒に戦争します、っていう法律作っちゃったの。

「やだ」と彼女たち。

「これは憲法違反だっていう反対がすごく多かったわけ。そしてアベさんも知っていた。これが憲法違反だってことはね。だから憲法そのものを変えちゃえ、というわけ。これから8月の参議院選挙まで、憲法問題が騒がれることになると思うから注意してて」

そして最後は、「君たち何年生? 1年生だったらあと3年か4年で選挙権だよ。今、いちばんの問題は若い人が棄権しているんだよ。投票率が今低いでしょ。国民が政治から離れちゃっている。わかい人にもっと考えてもらわないと。ほとんど受け取ってくれないんだ、こうしたチラシまいてても。なんだか、怖い見るみたいな感じでさ、『あ、いいです、いいです』って。

と言いながらチラシを渡そうとしたんですが、誰も手を出そうとしない。

でもなんとか、4人に受け取ってもらいました。

話が終わると彼女たち、寅さんの方に戻って行きました。
どうやらシールを貼り直しにいったようです。

それにしても、最近はほぼこのパターンです。
相手から話を聞くというよりも、こちらがかなり一方的に話すことになってしまっています。
でもやむをえません。
まず知ってもらう、という所から始めざるをえないのが実情です。


(2) さて、女子高校生と別れてすぐ、寅さんが今度は中学1年生の二人組を連れてきました。やはり九条を知らない、とのことです。
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ということで、話の進行は先ほどの女子高校生とほぼ同じ。
現行憲法の説明、歴代自民党政権の専守防衛の政策、そしてアベ改憲策動の三段跳びです。

ただ、今、ゆっくり考えてみると、彼らの言葉を拾い損なった瞬間がありました。

アベが憲法九条を変えようとしているという話の時、「なんで変えようとするんだろう」と僕が聞いたのに対して二人は「国を強くするため」と答えました。
ここでもう少し踏みとどまるべきでしたね。
アベ改憲についてこちらの説明を続けるのではなく、じゃあ「『国を強くする』ってどういうことだろう」と問いかけるべきだったと思います。
相手の話をよく聞いてそれを対話につなげることが必要ですね。


(3) 70代の女性ですが、これはまだ行動開始時間の2時になる前、そばのベンチで休んでいた時のことです。連れてきたのはもちろん寅さん。見ると、先週、30分近く話したあの女性です。
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寅さんは「2時間お相手できます」とか何とか言って彼女を置いて戻って行ってしまいました。
女性は「ちょっと失礼します」と私の隣に腰掛け、それから2時半頃までいろいろお話ししました。
いろいろなことをよくご存じです。

しかしどうもかみ合わない。
彼女の頭の中にはもう頑丈に構成された世界があって、外界から入ってくる言葉は単なる音声でしかない。
例えば、こんな会話をメモしました。

私:森友とか加計でウソばかりついていて、本当だったらみんな怒ると思うんですけどね。なぜだか許しちゃう。

彼女:真実は一つですから。

こんな具合です。これを30分以上やりました。

幸い、70歳ほどの男性がプラカードをじっと見ていたので、「あの方にチラシをお渡ししますので」と言って立ち上がり、ようやくチラシ配布を始めることができました。


(4) 60代の男性
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終了時間間際、話しかけてきました。プラカードに向けて顎をしゃくりながら「報道への圧力、これは問題だよ」。そして赤報隊による朝日新聞阪神支局襲撃事件から始まり、日本における報道の自由度の低さ、非正規雇用の問題、大企業の巨額な内部留保など話はあちこち飛びました。

(おまけ)この日はソニックシティーで研修か、就職の面接かがあったのでしょう。黒っぽいスーツ姿の男女が目立ちました。
特に、インド人、中国人が多く、寅さんも「ナマステ」とか「ニイハオ」とか呼びかけていましたが、あまり相手にされず、時には鳩に「チョイチョイチョイ」をやっていました。

「黒っぽいスーツ」に無理にこじつけて、寅さんから送られてきたカラスの写真も上げときます。
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