報告:管理人+α

さいたま市では一昨年、問題の多い道徳教科書が不透明な経緯のうち採択されました。
危機感を持った有志の方たちが、昨年の中学の道徳教科書の採択には「公正な採択を」と署名を集め、臨時教育委員会に多数傍聴に行き、危惧していた教科書は無事選ばれませんでした。
この方たちが、この集会を開催しました。

そもそも道徳は体系的な学問ではありません。
点数をつける「特別な教科」になったのは、安倍政権の強い意向があったものです。
今年からさいたま市の小学生が使う教育出版の道徳教科書には様々な批判が寄せられています。

※参考 【談話】教育出版小学校道徳教科書問題について
http://www.ne.jp/asahi/kyokasho/net21/danwa20170705.htm 

・2年生で扱っている「国旗・国歌」が他社と比べても異常に大きく偏った取り上げ方をしています。
・5年生の教材「下町ボブスレー」で安倍首相の写真をあえて載せ、5年生の「一人はみんなのために・・・」で元ラグビー選手を扱った教材で東大阪市の野田市長の写真も載せています。どちらも掲載する必然性のない写真です。

・教育出版だけが、道徳のお手本にするべきとして紹介する人物に、経済界での成功者を多く掲載しています。

・「正しいあいさつのしかた」を小学校1年、2年と続けて指示しています。子どもたちの行為、行動を型にはめる規制・強制が至る所に強く出ています。また、「どれが正しいおじぎのしかたか」など、戦前の修身と同じようなおじぎをさせる「しつけ」・「礼儀」の教材が多く取り入れられています。

このような教科書を使って始まった小学校の道徳の授業。
元教師、現教師、一般の市民、市議の方など50名が参加して、いま学校ではどんな授業をしているのか、何が問題なのか、どう対応してゆけばよいのかなどのお話を聞きました。
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現場の先生方からの報告で、文科省による「内容項目」により自己犠牲の精神が強調されている例などあげられていました。
他には考えない子どもを作ってしまうことや、授業時間の確保が大変な状況であること、先生の多忙さなどのお話が出ました。
ざっくりですが、お話の印象深かったところを記録しておきます。

現役の先生のお話
教育出版道徳教科書を使った模擬授業では、教科書の酷さがリアルに伝わってきて、これは酷いと焦りと危機感を感じました。
そんな教科書でも、知恵を絞り工夫して授業をされている先生たちのご苦労を知りました。

また、道徳の授業だけでなく、さいたま市では「エクササイズ」という時間も設けて「友達と仲良くなるため」のスキルを指導しているということも報告されました。
例えば、高学年の「相手の上手にNOと言う」ための「言語スキル」は、こうです。
 
①相手に応えられない残念な気持ち・・・・・「ごめんね」
②断る理由・・・・・「実は~でね」
③断る・・・・・「だからできないんだよ」
④代わりの案・・・・・「そのかわり~」
 
まるで、「企業研修」のようです。
人間同士の大切な関係を、企業研修と同一化して「スキル」として身につける・・・・・。
多いに疑問を感じてしまいます。

さいたま教育文化研究所貝田久さん
「民主的な道徳教育の創造を~評価されない楽しい道徳を~」
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「特別な教科 道徳」に対する対抗軸として「民主的な道徳教育」についてのお話。
レジュメより抜粋

・民主的な道徳教育の拠り所
①日本国憲法
②1947年 教育基本法
③現代社会・世界の現状が要請する問題
④子どもの権利条約

・民主的な道徳教育の目標
①民主主義社会を担う主権者として
②人類共生(ともに生きる)をめざして

その柱と目標、教育方法、などなど。

「特別な教科 道徳」の本質について ~修身科 姿を変えて再登場~
・「自由”と”責任」などの”と”の問題
・主権者としての主体性、自主性が含まれてない
・雑多なものの羅列にすぎず、道徳的価値とするには疑わしいものも多く含まれている
・内容項目の内容と配列の問題と修身科との類似性 など

「対話」を重点にした授業を ~対話を育てる・対話で育てる~
・言葉が出てくるのを辛抱強く「待つ」ことも対話の重要な要素
・一部の子どものみ発言する授業、教師に都合の良い発言に乗った授業、をのりこえる
・セイフティー(自分の意見を言うことに躊躇を覚えずにすむ状態)が大前提
・議論の不健全性(一部の子どものみ/影響力のある子供が支配/他が口をつぐむ/暗黙の同調圧力が支配/少数意見や反論、質問がでない等)を克服する授業。各教科で行う対話的授業と還流させる。

道徳の評価はありえない
・道徳の「評価」の本質は「心と行動」の管理支配の強化であり、新自由主義的体制の強化、戦争できる国づくりの推進のためのもの。(学力は学テで、心は道徳の評価で) 他
                                

メモ
・2002年に教科書が変わり読解力が急降下、国語の力がガタ落ち
・道徳は国語が1時間増えたと考えよう
PDCA、こうでなければというやり方は無理。これからはOODAの時代
・中学校の英語ではテストを通じてベネッセがその分析やアドバイスなどにより教育現場に深く関わってきていることに驚きました。