田中優さんのメルマガより「ダムはムダ」の動画と書き起こしを紹介します。
とてもわかりやすくて、私たちの生活に密接してる水の問題が理解できます。
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「風と水」の密度を比べると、水の方が800倍密度が大きいんですね。
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田中優の“持続する志” \[まぐまぐ!\]
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今回の西日本豪雨でも問題になったダムについて・・本当に必要なのでしょうか?ご一読頂けたら幸いです。『田中優氏「ダムはムダ」編 ワールドフォーラム2007年9月』(講演動画はこちら https://youtu.be/5F09Zg9oKGQ 再生時間10分)の書き起こしに、今回加筆を行いました。
ダムは目的別に「治水」と「利水」に分かれて、「利水」の中には「水」と「電気」という形に分かれます。
例えば東京の場合、1971年と現在と比べて水ってものすごく消費量が増えたと思いますよね?
減っているんです。
実は三十何年かけて東京の水の消費量は減り続けています。
なぜ減ったのでしょう?
工業用の水道が値段が高いので、みんな節約してしまったんです。その結果、ものすごく水の消費量が減りました。
それから家庭の需要も減っています。
今まで増えてきたのは「水洗化率」、トイレの水を水洗にするために需要が上がってきたんですね。
ところが水洗化率はほぼ100%、今後は上がりません。しかも水洗トイレの節水型が増えたので、今新しいトイレにすると従来の3分の1しか水を使いません。
その結果、水の消費量は減っているんです。
ところがこの35年間の間に、東京のためにたくさんダムを造りました。
そのダムの水がどうなっているかご存知ですか?
「無効放流」です。
そのまま川に流しているだけです。何も使っちゃいません。
霞ヶ浦も長良川河口堰でも二風谷ダムでもどこでもそうです。
無駄に造っているだけで、これは必要がありません。ですから今や電気必要なし、水必要なし。
そして治水はというと、実はダムを造るときというのは下流部分に財産が集中していて、そこにこう川が流れ込んでくるわけですよね。
その時にここにダムを造ると、ここに一定量の雨が降った場合については、この雨をこ川に流さずにダムにプールできますね。
でも流域面積全体で考えると、だいたい今は多くても10%くらいです。つまり、10%のところだけ雨が降ったら役に立ちます。残り90%は役に立たないんです。だからダムで治水をするというのはこれはムダです。
どうやると一番良いかというと、この下流部分のところに貯水池を設ける。大雨が降ってきたらこの下流の貯水池に逃がす。
こういう形にするのがコストも安く便利です。その土地がないということであれば、水田を使うと便利です。
水田のところに流し込む。それは育っている稲がダメになりますが、きちんと保険に入って補償する。
そうすると翌年になると連作障害が消えるんですよ。
ダムについてはもはや全く必要性がありません。
理屈さえ理解をすればやめる話になるはずですが、今のところみんな騙され続けているので、ダム推進が続いているという状況です。
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「風と水」の密度を比べると、水の方が800倍密度が大きいんですね。
その結果、風車の800分の1のサイズで同じ量の発電ができるんです。
だから日本の場合一番大きなエネルギーを得られるのは、小規模な水力です。
小規模な水力に進めていくのが一番最もコストが安く、一番大きなエネルギーが取り出せます。
それをダムにする必然性は実は全くありません。
水力発電の電気の発電量はどうなっているかと言うと、発電量は「高さ×水量×重力」によって決まります。
ですからダムで作った場合の発電量と、小さく水力をこう階段状に貼り付けていった場合の発電量を比べたとするとどうなるか?
同じなんですね。
高さは同じでしょ?流れる水量は同じ、それに重力はどこでも一緒だから。ということは、ダムにする必然性が全くないんです。
なぜダムにするかというと、必要な時に発電してもらえるからです。
夜中、水をずっと貯めておいて、昼間にどっと落として発電できる、
つまり充電装置のような役割を果たすことができるからダムを造るという状況なんです。
ダムで水を貯めると、砂が溜まってしまいますよね。そのために土砂が海に流れていかないから砂浜が消えていく。そして時々その溜まってしまったヘドロを一斉に流すんですね。
黒部川が有名なのですが、梅雨の時期の大雨の日に思い切り土砂を流してしまうために、ふもとの漁師さんたち、いくら何をとってもヘドロしか取れないんですよ。タコつぼを入れておくと、タコが壺ので中でヘドロで窒息しているんです。かわいそうです、本当に。そういうような状態になってしまうのがダムです。
黒部川が有名なのですが、梅雨の時期の大雨の日に思い切り土砂を流してしまうために、ふもとの漁師さんたち、いくら何をとってもヘドロしか取れないんですよ。タコつぼを入れておくと、タコが壺ので中でヘドロで窒息しているんです。かわいそうです、本当に。そういうような状態になってしまうのがダムです。
だからダムはとにかく撤去した方が良いです。今はもうアメリカでは500基以上撤去していますし、日本でも川辺川ダムを予定していた球磨川の荒瀬ダムも撤去しました。これからダムは撤去する時代に入っていきます。これは公共事業としてもものすごく力になるんですよ。
だからぼくは公共事業が悪いんじゃなくて、その選んだ代物が悪いと思っているんです。だから地域の人たちが役に立って経済的に利益が得られてもっと安いものだったら、公共事業はあった方がいいと思うんです。だけど今の公共事業は、借金を貯めて役に立たなくてすぐにダメになるということが問題なんだと思います。ダムを撤去することは経済的にとても利益が出ます。というのは魚がたくさん上がってくるようになりますから。
そしてダムのために砂が入らないように砂防ダムというのをバーッと連続して作るんですよ。これ1基、2千万円から2億円かかるんです。にもかかわらず山の中に入ってみると、例えば木頭村、四国の山の中を見てみると400基以上も連続してあるんですよ。1基2千万円から2億円、それが400基以上連続してあるんですよ。もう万里の長城のようで、バカげていますよね。そんなバカなことをやって公共事業で儲けているから「砂防会館」というのがあるんですね。それが特定政党の集まっている場所になっているわけですが、なんで砂防会館か? それが一番お金が儲かるからです。
そしてダムを貯めるとそこにはもう一度「浚渫(しゅんせつ)・・水底をさらって土砂などを取り除くこと」が必要になりますね。
そして今度下側には「飢えた水」というんですが、もうまるっきり砂を含まない水が流れていって全てをツルツルにしてしまうんですよ。そうすると魚が卵を産める場所がなくなってしまうんですね。そして下の橋脚、橋とかをどんどん溶かしていってしまうんです。
そして一番下にいくとどうなるかと言うと、砂がどんどん失われているので、今「遠州灘」とかどんどん減ってしまっていますね。
そういう構造になってしまうので、テトラポットを並べるわけです。だから公共事業は今テトラポットを並べたりしてお金を使っていますが、それよりもダムを撤去した方がよっぽど安いです。経済効果もとても大きいです。ですからそういう方向に公共事業を向ければ良いんです。建設会社の人たちも全然断る気はないと思います。だって公共事業が欲しいだけですから。だから公共事業はまともな公共事業であれば良いんだという形で主張していくべきだと思います。
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椎葉ダムというのはアーチ式ダムなんですよね。
アーチ式ダムというのはダムの上流に向けてアーチを造ってダムにします。
最もコンクリートの量が少ないので一番安上がりでできるんです。ところがもうボロボロです。崩れていますね。しかももし崩れたとしたらあそこは真下に学校があるんですよ。ですから崩れてしまったら最初に学校が被害に遭ってしまう。
実は世界の中ではダムというのはすごく壊れているんです。一番ダムの中で悲惨な事故だと思うのは中国の「板橋ダム」というダムが壊れた時です。
実は世界の中ではダムというのはすごく壊れているんです。一番ダムの中で悲惨な事故だと思うのは中国の「板橋ダム」というダムが壊れた時です。
1970年代に起こりましたが、この時上流で2つダムが壊れました。ところが中国ってダムを連続して造っているのでドミノ倒しが起こってダムが62基壊れました。最後のダムが壊れなかったので、町が水没してしまいました。その結果、23万人が亡くなっています。これが世界最悪のダム事故です。
こういう事態もあるし、例えばアメリカの「ティートンダム」、「フランシスダム」なども壊れていますし、世界各地で実はダムって壊れているんです。
だから日本のダムが壊れるのはこれから起こってくる時代だと思います。特に椎葉ダムは危険だと思います。
コメント
コメント一覧 (7)
ダムのムダなことよーく判りました。
また 砂防会館と言うのが確かにありますね。
現役時代、会議などで使ったことも思い出しました。
砂防会館と言うのはダム利権のカスリで立てたものなんですね。
知りませんでした。
ダムの崩壊、小規模水力発電も「高さ×水量×重力」で納得です。
土建屋は公共事業が欲しいわけで、ダムと高速道路とリニアモーター
出なくてもいいわけです。
ダムの取り壊しと、電線の地中埋設化、自転車専用道路、
公立学校運動場の芝生化など、枯れ木が勝手に言ってるものも
ありますが、巨大な公共工事ではなく、地方分散型の公共事業が
地方経済を潤し、副次的な効果も想定できます。
その象徴がダムです。
ほんとに、よーく判りました。
管理人さんありがとうございました。今、目からうろこが音を立てて落ちてます。
ダムも原発と同じで巨大公共事業で、その必要性はないのに
政官財学でタッグを組んで反対派を押しつぶしながら造り続けています。
これから人口が減って、税収も労働人口も減ってゆくのに
橋、道路、堤防などのインフラは老朽化して不測の事故が起こるようになります。
また異常気象による被害も多発すると思われます。
無駄なダムなど造ってる余裕もないし、ダム自体が無駄なお金がかかります。
ダムにはさまざまな問題がありますが、根本は税金問題だと思います。
埼玉だって、八ッ場ダムにはお金つぎこんでるしね
やっぱ、「ほたるの川のまもりびと」を どんどん上映していかないと
お金と人をつぎこめば、過疎地域対策やデフレ対策にもなると思います。
50年計画ぐらいでやればいいと思います。
でも、わかっているのにどうにも動かない状況を、どうすればいいんでしょうか?
田中康夫さんが、モーニングCROSSに出た時に、森林と川の話をしました
長野県知事の時に、ダム建設に反対したんですよね
まずは、森の再生
針葉樹から広葉樹へ変えると保水が出き、土砂崩れが減る
間伐材でガードレールを造る
これは実際に造ったそうですが、何故か、距離制限を付けられたそうです
大きな公共事業でなく、地元の業者を使って小規模の事業をしようとしたら
思うようにはできず、結局県知事から降ろされたんですよね
この構造をなんとかしないと、変わらない
最初にあんなに人気だった康夫ちゃんでさえ、潰される
どうにかなりませんかね???
原子力村、安保村、公共事業村、教育利権村、などなど。
昔は「村」と言わず「族」と言いましたが、今は「村」が
自分たちに都合のいい政策を作って利権を貪っています。
利権の構造に切り込むものは石井紘基元議員のようにつぶされます。
このダムの話のように、知られていない事実を広めることが大事だと思います。
管理人さん、是非いろいろな情報を紹介してください。
まず、水の使用量がここ30数年で減り続けていることに驚きました。
また、砂を含まない水が流れていくことで、川底がツルツルになり、魚が卵を産める場所がなくなるということ、そういう水は橋脚を溶かしてしまうということも。
公共事業の方向が大事だと思います。
新たなダムで美しい村が沈んでしまうことは止めないと、と思います。