昨日の河北新報

埼玉県議会、原発再稼働求める意見書可決 「福島を軽視」抗議拡大
河北新報オンラインニュース / ONLINENEWS
http://sp.kahoku.co.jp/tohokunews/201801/20180118_63010.html 

 議決を知った県民の一部が採決後、県庁前に詰め掛け「恥を知れ」などと書かれたプラカードを掲げて抗議。反発は年が明けても収まらず、今月10日には県民ら約140人が議会棟周辺をデモ行進し、小林議長宛の抗議文を提出した。
 抗議文は「福島第1原発の事故原因が明らかにされていない上に収束が全く見通せない中での意見書は被災地を無視し、あまりにも無責任」と主張。インターネットを通じて募った抗議文への賛同は首都圏、福島県などから141団体3130人に上る。
 デモ行進に参加した埼玉県三芳町の翻訳業白田真希さん(50)は「原発が立地していない埼玉県で、なぜこのような意見書が議決されたのかが分からない。福島の現状を熟慮したのかどうか、納得できる説明を求めたい」と語った。

本日の東京新聞の「こちら特報部」で特集
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なぜ原発立地県でない埼玉から働きかける必要があったのか。
自民県議団の田村琢実政調会長は「支援団体からの要望を受け、県議団で協議し、このような意見書が必要だと判断した」と説明する。
どの団体からどんな要望があったか尋ねたが、「お答えする義務はない」と回答は拒まれた。
自民党本部の指示ではと見るむきも。
埼玉県議会は定数93(欠員7)のうち自民が52議席。
こんな意見書が出てくる背景には事故の風化もあるのでは。
この唐突な意見書可決は、なし崩しに進んでいる再稼働の動きと無関係ではない。

(要約)
一方、そのツケは国民に払わせようという考えだ。
本誌の調べでは国内の原発の後始末にかかる経費は制定でも40兆円に上る。
この中には福島原発事故の処理費用21兆5千億円も含まれているが、経産省はその一部について本来、原発とは関係ない新電力の契約者にまで、電気料金を上乗せする形で負担させる方針を示している。
今後どこまで国民負担が広がるかは見通せない状態だ。

こうした原発推進派の攻勢が、埼玉県議会のような動きに現れたのか。
「いや、むしろ焦りの現われでしょう」と話すのは、龍谷大の大島堅一教授(環境政策学)だ。
「電力供給は逼迫していないし、再稼働しても国民経済にとって意味はない。
要は電力会社が自らの資産を自らのために使いたいだけだから、理由付けが苦しい。
だから、むちゃな決議でもやってほしいということだろう。
いわば断末魔の叫びだ」

「世界的に、原発より再生可能エネルギーへシフトしている。日本のみならず、米国でも英国でも国の支援なしでは原発はつくれない。原発は経済的に自立できない電源だとはっきりしてきた。
そいした実態を覆い隠し、原発推進を堅持する政府・経産省は国民に対して怠慢で、国民経済の足をひっぱっている」