報告:ケンちゃん

講演「金平茂紀さん(TBS報道特集キャスター)」
『報道の現場から~平和・いのち・人権を考える』に参加しました。
03
会場は蕨市民会館でした。 
頼高蕨市長も3時間しっかりと参加しました。 
最近、市長会で福島第一原発の視察に行ってきた。
脱原発首長会議に参加しているのは、残念ながら埼玉県では私だけ。
福島県の高校生達が原発を現地視察したが、どうかと思う』 
(マスメディアが同行し、善意を利用したツアーは悪質なプロパガンダである―金平) 
Q最近のメディアに対する弾圧はひどいものがあるが、「報道特集」に対してはどうか?
A もちろん圧力はたくさんあるが、「圧力を受けない番組」って何?
『明日、首を切られてもしょうがない。それを覚悟でやっている。
 会社のためにやっているのではなく、視聴者のためにやっている。
 ツイッターなどでは罵倒されている。
 しかし、「良かった」という手紙を1通もらうだけで嬉しい。』

【マスメディアの現状】
不確かな情報が数多く流れていて、本当のことが伝わりにくい。
したがって視聴者の不信感が強い。成果・評価がここまで下がるとは思わなかった。

【現場主義】
どこの現場に行っても金平さんが一番年長。
「長」がついた人は机にふんぞり返って現場には行かない。
(アメリカ大統領選、沖縄高江、慰安婦問題で韓国・東ティモールなど、金平さんが現地から報道していた)

【現在の日本】
ひどいことが起きている。
「土人、シナ人」発言。核兵器禁止条約に反対。福島からの転校生へのいじめ、など。
韓国の朴大統領弾劾のことをいろいろ言う人がいるが、「怒らない日本」よりも韓国の方がずっと進んでいる。

【物事をどう見るか?の観点】
①改憲勢力が3分の2に達したことの意味をどう考えるか?
②若い層ほど与党に票を投じた傾向をどう考えるか?
③女性の地位は本当に向上しているか?―ものすごい勢いで逆行している。
④人間の価値は生産力で決まるのか?―それが顕著に現れたのが相模原市の問題。
 「障害者にもいきる権利がある」と言いながら現実は差別されている。
 同じ事件の被害者でも、障害者は賠償額が低い。

【戦後?災後?戦前?】
1945年8月、日本は戦後になった。
しかし、一度無効になったのではないだろうか?
2011年3月11日、日本は災後になった。
あの時、日本人は自分の生き方を問い直す機会だったが、逸してしまった。
そして今は戦前になった。
核燃料がどうなっているかもわからない。廃炉に数十兆円かかる。
子・孫・その孫にも影響していく。

【現政権】
「国民主権から国家主権」「教育統制」「メディア統制」が3本柱。
①偏狭なナショナリズム
 優越思想と排外主義、ヘイトスピーチ、リオ五輪の愛国報道
②反知性主義と歴史修正主義
 知(知識・教養)が劣化し、役たたずのインテリよりもマッチョ・ヤンキーが重く見られる。
 知性をバカにする価値観が子供たちに広がっている。
 そして、歴史的事実が意図的に抹消される。
③国民は忘却とイナーシア(慣性)
 「前の通りにやってればいいじゃん」となる。

【現政権下のメディア統制】
メディア統制をますます強めていて、特にテレビを重視している。
(道具として使っている)→自主規制、忖度、萎縮→自発的「隷従」になる。

【ネット・SNS は人を幸福にしたか?】
2004年に比べて現在は、2000倍のデータを個人が保存するようになった。
何が大事で何が重要でないかを、個人が判断することが困難になっている。(情報中毒)
特に今の若者は新聞を読まなくなっている。
新聞なら他の記事も目にはいるが、ネットでは自分の好きなことしか情報をとらなくなっている。

【メディアへの政治介入】
高市総務相が停波発言をした。反対の記者会見を開いたが、限界があった。
呼び掛けたがビビって出てこない人がいた。
3月にニュースキャスターが3人同時に代わったのは初めてのこと。
情報は誰のもの?電波は誰のもの?
もちろん国民のものである。

【田英夫キャスター、解任事件】
田英夫といっても知らない人が増えた。
ベトナム戦争で「爆撃される側から初めて報道した」。
普通はアメリカ(南)側からしか報道されないが、北から見た時にベトナム戦争はどう映るのか?
すぐに自民党から圧力がかかり解任された。

【忖度、自壊の風景】
①2015年沖縄慰霊の日の式典で、安倍への多くの野次があったが、
 NHK のニュースではきれいにカットされていた。※文末参照
②2016年熊本地震の際、川内原発報道が自粛された。
③沖縄を報道しない本土メディア。(本当に報道されていない!)

【メディアの役割】
①事実の正確かつ迅速な伝達。「知る権利」への奉仕。
②Agnda Setting (議題設定)
 「いま優先的に考えることは何だろう?」優先順位が大事。
 〈和田アキ子が紅白落ちたこと、が一番大事なの?〉
③Watch Dog (権力監視)
④少数者(Minority )の視点
⑤多様な意見の確保(Diversity )
※③④⑤は筑紫哲也(知らない人が多くなった)が一番大事にした点。

【活動に当たっての大事なこと】
①無謬主義という病理
 人は、組織は、国は、必ず間違うものである。
②外と繋がるー異業種、異地域、異国、異文化、異世代
③横と繋がる
④いつも心にユーモアを!
⑤かっこ良さ、創意、遊び、お洒落(これは人間の本能だから)
⑥知ることの喜び。学びは生きてゆく価値そのもの。
⑦大事なことは仲間を増やしていくこと。継続は力なり。

【スクールミュージックリバイバル】
震災の翌年に坂本龍一も参加し、312人の高校生が、震災で壊れた楽器を修復し、コンサートを開いた。
その迫力に感動した。
若者の力、文化の力、音楽の力に希望を感じた。
2016-11-18_19h37_37
 
※管理人追記
金平さんとは違いますが
独立メディアのIWJの11/22日刊IWJガイドよりNHKの偏向ぶりを伝える記事。
重要なことなのでみなさまにもお知らせします。 
フェアな報道を続けるIWJも頑張っています。
■音声出力端子の搭載された自民党街宣車に驚愕!
――「伝えないと、ないことになってしまう声を伝えていく」ために――カンパ・ご寄付のお願い
IWJで動画班のお手伝いをしながら報道現場の勉強をしています青木浩文です。
IWJのお仕事をさせていただくようになってから、2年余りが経ちました。
その間、特に学ばせて頂いたことの一つは、
「伝えないと、ないことになってしまう声を伝えていく」というIWJのエネルギーでした。
岩上イズムとも言えるこの姿勢は、IWJ社内に深く浸透していると私は感じます。
岩上さんが著者として名を連ねている書籍『「今を伝える」ということ』にも、
「ジャーナリズムの大切な仕事」だとして、詳しく記載されています。
※【岩上安身サイン入り!】『「今を伝える」ということ』
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=194
同書の中で岩上さんは、日本人は、怒らない、抗議をしない、自己主張をしない民族だとする向きがあるが、
これは真っ赤な嘘だと指摘。その上で、「『こんなことは許せない。こういうことがあっていいものだろうか』
と言葉にし、声を上げるひとたちは常に存在します。
でも、そうした声をメディアが伝えなければ、それは存在しないことになってしまう」
と、警鐘を鳴らしています。
そして、2011年6月11日に、「脱原発100万人アクション」というデモが
全国150ヵ所以上で行われたにも関わらず、主要メディアはこうした動きを全く報じなかったことを例に上げ、
岩上さんは「マニピュレーション(情報操作)」だとして厳しく断じています。
この「マニピュレーション」を目の当たりにするような現場がありました。
2015年6月7日、自民党が「憲法改正」をアピールするために新宿西口で行なった街宣を、
私が中継を担当したときです。
この街宣の3日前の6月4日に、衆議院の憲法審査会で招致された参考人3人が
「安保法制は違憲である」との見解を示しました。
しかし、「違憲」との烙印を押されてもなお、強引に採決を推し進めようとする政府与党に対して、
国民の怒りが噴出。
この日も、50名ほどの市民が「安保法制は違憲」「安倍政権は憲法違反内閣」
「解釈改憲で憲法9条を壊すな」などと書かれたプラカードを持って押し寄せていました。
自民党の街宣車で興味深いのは、マイクを使って車上で訴えている議員の声が、
街宣車に搭載された音声端子からそのまま出力されること。
マスコミ各社はこの端子から出力された音声をそのままカメラ機材につなぎ、録音しています。
こうすることによって、マイクの音声はノイズを拾うことなく、とても聞き取りやすい状態で録音されます。
他方、マイク以外の音、例えば、その場に詰めかけた聴衆がどれほど批判の声を上げても、
ほとんどは録音されることはないのです
(ちなみに民進党や日本共産党の街宣車に音声出力端子はないようです)。
つまり反対する市民の声はノイズとしてキャンセリングされてしまうのです。
私の記憶が正しければ、この日現場で撮影していたテレビ局はNHKと民法3社。
その内、街宣車から直接音声をつないでいたのは、NHKと民法1社で、
他の2社は、悩んだ挙句、自民党議員の主張のみを報じるこの音声の使用はしていませんでした。
新宿西口のロータリーに街宣車を止めて、訴えを始めた自民党議員。
それを歩道側からガードレールに沿ってテレビカメラが狙い、その報道陣を囲った柵の後ろに聴衆が集まり、
プラカードを掲げました。報道陣を挟んで、自民党議員を載せた街宣車と、
プラカードを掲げた聴取が対峙する形です。
聴衆の間から、自民党議員の演説をかき消すほどの抗議の声があがりました。
TBSのテレビカメラや、共同通信社のスチルカメラマンは、自民党の街宣車に背を向け、
その様子を撮影していました。
しかし、自民党街宣車から直接音声をつないだNHKと民法一社のカメラは、
最後まで一度も市民が激しく声を上げる後ろを振り返ることなく、自民党議員だけを撮影し続けたのです。
さらに興味深いのは、この日NHKのカメラが用意していた高さ2メートル以上ある脚立
と3メートル近くはある三脚です。この新宿西口には複数のバス停があり、
この日も自民党の街宣車の前を、幾度となく大型バスが横切っていました。
しかし、この高さから撮影することで、バスの車高に一切遮られることなく、
議員の街宣の様子を録画できるのでした。
果たせるかな、その日のNHKのニュースには、谷垣禎一幹事長(当時)らが演説する姿が、
一度もバスに遮られることなく、きれいな音声で報じられたのでした。
聴衆が上げた安倍政権に対する批判の声は、そのニュースからは全く聞き取ることが出来ませんでした。
IWJの中継等で、この現場の実際の様子を知らない方々には、
聴衆の批判の声は「存在しなかった」ことになってしまったのではないでしょうか。
※自民党の「改憲」街宣に市民らが「戦争反対」のカウンター抗議! 
~新宿駅西口に鳴り響いた「帰れ」コール 2015.6.7
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/248258
この日の街宣の模様の全編をご覧になりたい方は、会員ページからぜひ、ご視聴ください!
まだ、会員登録をされていないかたは是非、この機会にご検討ください。
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http://iwj.co.jp/wj/member/archives/41214
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2年間IWJのお手伝いをさせていただくなか、
このような「マニピュレーション」の「現場」を目にすることは幾度もありました。
私たちは知らず知らず、NHKのような巧妙な「洗脳装置」に誘導され、操作されてしまっているのです。
こんな恐ろしいことはありません。
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